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岡山天音、『ひらやすみ』主人公は「ひょうひょうと生きている絶妙な人」 役作りを語る

  • 2025.11.12

元俳優で現在はフリーター、恋人なし、将来の不安も一切なしの29歳。そんなお気楽な主人公・生田ヒロト(岡山天音)と、18歳のいとこ・小林なつみ(森七菜)の平屋生活を描いたドラマ『ひらやすみ』は、原作漫画の人気も伴い、放送前から注目を集めていた。「僕らと同じような風景の中で暮らしている人々のお話。温度感や息遣いを感じさせる世界観が必要だと思った」と話す岡山天音さんもまた、原作ファンの一人。

出会いたかった人にやっと会えたと思いました

「原作でヒロトを見た時、出会いたかった人にやっと会えたと思いました。こういう友達がいたらいいなって。ヒロトは、街を歩いていても特に注目されることもなくすれ違うような人。ただ僕はある種の天才だとも思っていて。決められた幸せの形や負け組なんていう刷り込みがない無垢な人でありながら、自分の幸福は何かちゃんとわかっていて、ひょうひょうと生きている絶妙な人です」

役作りは「逆算」から。

「ヒロトの表面的な部分から、もともとの性質は? この表面に至るには過去にこういう体験をして、それをこういうふうに捉えていて…と遡りながら分析していくんです。もちろん体験によらずその人が生まれ持った性質もあると思うので、そこと後天的な変化それぞれを自分なりに洗い出します。他人の美しいと感じる部分って、意外と本人は意図的にやっているわけじゃないのかもと思うと、じゃあどのように育まれたのか…。そんなことをどんどん紙に書き出して解釈し、結果的に天才を遠いものとするのではなく自分の肉体と地続きにしていく感じ。それは毎回どの役でもやっています。それしかやれることがないですから(笑)」

バイプレイヤーとして多くの作品で存在感を示してきた岡山さん。NHKの連ドラでは初主演となる。

「主演は座長としての役割があり、脇役の場合は、現場全体が主人公視点で進んでいく中で、自分の役を一番考えているのは自分。時に主人公とのバランスをとらなければいけないこともあります。主演と脇役では競技が違うような気もしますね。ただいつでも、変な気負いはしたくないというのがベースにあります」

放送時間は15分。「どんな瞬間でも見られる、独特の風合いのあるドラマになれば」と願う。

「社会の歯車として、不得手な筋力を動かして生きている人もいるかもしれません。でも自分は大多数の一人ではなく、唯一無二の存在だと気づくきっかけになれば嬉しいです」

岡山天音

おかやま・あまね 1994年6月17日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に主演映画『笑いのカイブツ』、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』など。特集ドラマ『片想い』が、2026年春にNHK総合にて放送予定。

Information

真造圭伍の同名人気漫画を実写化。お気楽なフリーター・生田ヒロト(岡山)は近所のおばあちゃんから平屋を譲り受け、18歳のいとこ・なつみ(森)と2人暮らしをすることに。そんな彼の周りに、生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて…。毎週月~木曜22時45分~、NHK総合にて放送中。
夜ドラ『ひらやすみ』

真造圭伍の同名人気漫画を実写化。お気楽なフリーター・生田ヒロト(岡山)は近所のおばあちゃんから平屋を譲り受け、18歳のいとこ・なつみ(森)と2人暮らしをすることに。そんな彼の周りに、生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて…。毎週月~木曜22時45分~、NHK総合にて放送中。

ジャケット¥38,500(ヨーク) トップス¥30,800(ウル) パンツ¥46,200(アンセム エー) 以上エンケル TEL. 03-6812-9897

写真・Marco Perboni ヘア&メイク・AMANO インタビュー、文・若山あや

anan 2470号(2025年11月5日発売)より

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