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“ただの逃走劇”では終わらない…「いい意味で裏切られ続けてる」「見逃せない」SNSで“称賛の声”が相次ぐ【水曜ドラマ】

  • 2025.11.10
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『ESCAPE それは誘拐のはずだった』第5話(C)日本テレビ

桜田ひよりと佐野勇斗がW主演を務める日本テレビ系水曜ドラマ『ESCAPE それは誘拐のはずだった』。

まさにタイトルの通り、「誘拐のはずだった」事件が、気がつけば誘拐する側と誘拐された側が協力して逃避行に……。

テーマである“誘拐”だけではないおもしろさがある作品の魅力を紹介する。

※以下本文には放送内容が含まれます。

父から逃げるために誘拐を利用?

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『ESCAPE それは誘拐のはずだった』第5話(C)日本テレビ

20歳のバースデーパーティーの日に林田(佐野勇斗)たちに誘拐された八神製薬の社長令嬢の八神結以(桜田ひより)。

計画を遂行している中、主犯格である斎藤(飯田基祐)が亡くなったこともあり、この事件は終わることになるかと思われたが、事態は意外な方向へ。

父親の慶志(北村一輝)から逃げたいという思いを抱えていた結以。逆に林田を巻き込む形で警察、そして父親の手から逃げることに。

慶志は懸賞金を出したり、林田の情報を公開するなど次第にふたりを追い詰めていく。林田と結以は裏社会に精通しているガン(志田未来)の手も借りつつ、追手から逃げ続ける。

逃げるだけではない、困っている人たちを助けていく

ただの逃亡劇かと思いきや、困っている人、悲しい思いを抱えている人たちを助けていく物語でもある。

信頼している人として、八神家で家政婦をしていた城之内晶(原沙知絵)のもとを訪れた結以たち。優しくて、何でも相談できる存在だったはずが、実は自分の息子である星(阿部来叶)にネグレクトしていることがわかる。放っておけなかった結以たちは、星を連れて逃げることに。もちろん、子どもを連れて逃げることは不可能に近い。結局、星は林田が信頼する刑事に託すことになるが、母親からは助ける形となった。

次に結以たちが頼ったのは林田の元カノ・莉里(影山優佳)。父から虐待を受けている、逃げるために林田と駆け落ちしたという結以たちのウソの話を信じた莉里はふたりをかくまうことに。心優しい莉里だが、実は既婚者と付き合っていることに悩んでおり……。苦しむ莉里を助けるために、結以たちはガンの力を借りて恋人との関係に終止符を打つ。

逃走劇だけだと既存作品とどうしても似た構成になってしまいがちだが、“人の心を救う”という要素がプラスされたことによって、おもしろさが増しているのではないだろうか。

林田“佐野勇斗”のカッコよさが浮き彫りに

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『ESCAPE それは誘拐のはずだった』第5話(C)日本テレビ

ちょっとやんちゃな雰囲気を醸し出している林田。だが、第1話から優しさが感じられている。逃走劇が始まり、結以に必要なものを買い出しに行かされた彼は、生理用品を買い求めた結以のために、鎮痛剤も併せて購入してきた。この行動ひとつだけで、これまでどんなふうに周りと接してきたかが垣間見える。

そして、2話と3話で登場した星との関係性。ネグレクトに遭い、心を閉ざしていた星が結以と林田と一緒にいるうちに表情を取り戻していく。星と林田の別れのシーンは、林田から星に注がれる愛情にあふれていて観ている側の涙も止まらなくなる。

そもそも、この逃走劇自体、林田の優しさがベースにあるようなもの。面倒に巻き込まれたくなければ、あっさりと結以を解放すればいい。今なら結以が父親が逃げたくて頼んだ、騒ぎが大きくなって帰りづらくなった、とでも証言すれば罪からだって逃れられるかもしれない。それをしないのは、結以を助けてあげたい、という気持ちが芽生えてしまっているから……だからだが、結以に対しては5話時点では違う感情も芽生え始めているようである。

そろそろ、結以が父親から逃げる理由も明らかになりそうだ。物語は新たな展開を迎えるところに来ている。SNSでは「いい意味で裏切られ続けてる」「これからどうなるの」「見逃せない」という称賛の声に溢れている。また、まだ結以の「サトリ」の能力も明らかになっていないので、後半戦に向けてどのように物語が動いていくのか、期待が高まる。


日本テレビ系 『ESCAPE それは誘拐のはずだった』毎週水曜よる10時〜

ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko) うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。