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「もう使えないね」夫にスーツを捨てられ絶望する私と、不気味に笑う夫。追い詰められた私が下した【夫に言えない決断】とは

  • 2025.10.6

10代で両親を亡くした沙織の夢は、温かい家族を築くことでした。母子家庭で育った夫の守もまた、家庭に憧れを抱いており、本当に優しく穏やかな人でした。そんな彼と結婚すれば、理想の家庭を築けると信じていた沙織。しかし――彼女は、いつからか誰のことも信じられなくなっていったのです……!?

夫・守の言葉を信じ、同僚との間に溝ができたと思い込んで会社を退職した沙織。しかし息子が生まれると、守は「家族のため」と言いながらも細かいルールで沙織を諭すようになります。優しさからくる言動のはずが、沙織は次第に息苦しさを感じていきました。

そんなある日、元同僚の恵美と偶然再会。守から聞いていた話とは全く違う事実、そして悪口など言っていなかったと聞かされます。これまで感じていた違和感が、夫へのハッキリとした疑念に変わっていきました。

その夜、夫に事実を確かめようとする沙織。すると守は、沙織のためを思ってしたことだと前置きしつつも、 「自分たちが沙織を退職に追い込んだことを隠すためのデタラメだ!」と強い口調で反論します。「俺を信じられないのか?」と悲しそうに問い詰められ、沙織はどちらを信じればいいのかわからなくなってしまうのでした。

誰を信じればいいのかわからなくなった沙織は、お隣の大山さんのアドバイスを受け、一度自分の世界を広げるために再就職を決意。守は「晴人が1歳になるまでは賛成できない」「母親以上に必要なものなんて子どもにはない!!」と反対しますが、沙織は自分の判断軸を取り戻すため、意思を貫くことにしました。

しかし、面接の前日。あったはずのスーツが消えていました。守に尋ねると、彼が指さした先にはゴミ袋が。守は破れたり傷んだりしていたからだと、沙織のスーツや靴を勝手に処分していたのです。

「これじゃもう使えないね」と初めて見せるような冷たい笑顔を浮かべる夫の姿に、沙織は恐怖で震えます。そして、義母から面接の話が漏れたのだと気づき、真相を確かめるため電話をかけましたが――!?

もう夫と一緒にいられないと思った日

面接用のスーツや靴を勝手に処分され、沙織は守の異常な行動に言葉を失います。追い打ちをかけるように、守は「明日有給取ったから3人で買い物でも行こうか」と提案。これで沙織は、守が面接を知った上で意図的に妨害したのだと確信し、恐怖で震えました。

「どうして……!? 面接のことは守に話していないのに……」

沙織は、再就職を応援してくれていた義母が守に話してしまったのではないかと疑い、あわてて電話をかけます。しかし義母は、「夫婦の問題に口出しはしないわ」と、関与をきっぱりと否定しました。

その言葉に安堵した沙織は、堰を切ったようにこれまでの不安や、本当は守と距離を置きたいという本心を義母に打ち明けます。家を出た後の生活を心配する義母に、キッチンに密かに貯めていた「タンス預金」の存在も明かしました。

「こんなことになって、すみません…」と謝る沙織に対し、義母は「あなたはこれからも娘よ」と優しく受け入れます。沙織と晴人の未来を応援する言葉をかけてくれました。

義母という心強い味方を得た沙織は心から安堵し、ついに家を出る決意を固めます。翌日の面接は涙をのんでキャンセルし、守が仕事でいない来週月曜に荷造りを済ませ、火曜日に家を出るという新たな計画を立てるのでした。

◇ ◇ ◇

たった一人でも「あなたの味方だ」と言ってくれる人がいる。その事実が、絶望の淵にいる心にとって、大きな支えになるのかもしれません。がんじがらめだった思考がリセットされ、「自分のために行動する」という覚悟が芽生える。誰かの言葉を信じて踏み出すその一歩が、未来を大きく変えるきっかけになるのですね。


著者:マンガ家・イラストレーター きりぷち

ベビーカレンダー編集部

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