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25年前、JALのCMで日本中に流れた“静かな決意” 派手さゼロの“希望のメロディ”

  • 2025.11.16

「25年前、あの頃の風景を覚えてる?」

2000年の初夏。街には新しい時代への期待と、どこか不安が入り混じっていた。そんな時代に、ふと心を支えてくれるような一曲があった。

the brilliant green『Hello Another Way -それぞれの場所-』(作詞:川瀬智子・作曲:奥田俊作)――2000年5月31日発売

この曲は、JALのCM「ACTIVE 北海道 2000」のテーマとして全国に流れた。旅立つ人々の背中を、静かに、でも確かな力で押してくれるようなサウンドが印象的だった。

“旅立ち”の空気をまとったミディアム・ロック

the brilliant greenの10枚目のシングルとして発表された本作は、ストリングスを大胆に取り入れたミディアムテンポのロックナンバーで、サビに向かって少しずつ広がっていくサウンドスケープが、まるで“飛行機が滑走路を走り出す瞬間”のように胸を高鳴らせる。

当時のブリグリ(the brilliant green)は、ブリットポップの影響を受けながらも、J-POPのメロディセンスと融合させた独自のサウンドで人気を集めていた。その中でもこの曲は、派手さではなく「心を整えるような優しさ」が際立つ作品だ。

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2017年、神宮外苑花火大会に登場したボーカル・川瀬智子(C)SANKEI

川瀬智子の声が描いた“それぞれの場所”

ボーカル・川瀬智子の歌声は、この曲でさらに成熟した印象を与える。デビュー当初のクールさに比べ、ここでは少し柔らかく、包み込むような響きがある。

タイトルにある“それぞれの場所”という言葉が示すように、聴く人によって情景が変わる余白を残した歌唱。それが「誰の人生にもある別れと出発」というテーマを、より普遍的なものにしている。

竹野内豊が出演したJALのCMでは、広い空と大地が映し出された。川瀬の透明感ある声と、奥田俊作による繊細なメロディが重なることで、“新しい自分を見つけに行く”というメッセージが自然に伝わってきた。

聴き手の中に残る“静かな決意”

2000年代初頭、日本はまだ不景気の影を引きずりつつ、インターネットが急速に普及し始めていた。そんな社会の変わり目に生まれたこの曲は、“何かを変えたい”と思いながらも、すぐには動けない人々の心に寄り添ってくれた。

「あの頃の自分に、もう一度会いに行きたくなる」

そんな感覚を呼び起こすのが、この『Hello Another Way -それぞれの場所-』という楽曲だ。大きなメッセージを掲げずとも、日常の一歩をそっと支える優しさ。

それこそが、the brilliant greenというバンドが持つ真の魅力なのかもしれない。25年経った今でも、この曲を聴くと、不思議と風の匂いが蘇る。あの頃より少し大人になった自分が、ふと空を見上げたくなる。それぞれの場所で生きる誰かに、静かに光を届け続ける一曲だ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。