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25年前、SPEED解散後に放たれた“覚悟”の60万枚ヒット 卒業後に咲いた“再出発の歌”

  • 2025.11.15

「25年前の秋、あの街角で聴こえていた声を覚えてる?」

2000年。SPEEDが解散し、4人それぞれの新しい道が動き出した年。空気には少しの寂しさと、同時に“次の時代”を感じさせる希望が漂っていた。華やかな時代を駆け抜けたあとに訪れた静けさ。その中で、再びマイクを握ったひとりの歌声があった。

hiro『Treasure』(作詞・作曲:葉山拓亮)――2000年10月25日発売

hiroのソロ3枚目のシングルであり、SPEED解散後に放たれた“過去から未来へ向かう第一歩”を刻んだ一曲だった。

解散という区切りのあとに生まれた、新しい響き

『Treasure』は、これまでのソロ作品とは明確に違う表情を持っていた。プロデュースを手がけたのは葉山拓亮。SPEED時代から長く組んできた伊秩弘将ではなく、初めて別の作家を起用したことが、この曲に大きな意味を与えている。

日本テレビ系ドラマ『新宿暴走救急隊』のエンディングテーマとしても起用され、街に新しい風を吹き込んだ。キラキラとした打ち込みとミディアムテンポのビートが穏やかに重なるサウンドは、“アイドルポップからアーティストポップへ”という変化を象徴していた。

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2002年、初写真集発売記念握手会に登場したhiro(C)SANKEI

透き通る声が描いた“強さと儚さ”

hiroのボーカルは、グループ時代の明るく伸びやかな歌声とはまた違う。この曲では、静けさを抱いた声がより繊細に響く。葉山の描くメロディは感情を煽ることなく、透明感の中に微かな切なさを宿している。

耳を傾けるほどに、彼女の息づかいと音の余白が調和していく。派手さではなく“素の声”で勝負する覚悟。その潔さが、リスナーの心を静かに揺らした。

“解散”を経て見せた、新たな表現者の顔

SPEED解散という大きな出来事のあとに出したこのシングルには、過去を引きずらずに前へ進もうとする決意がにじむ。

それは、グループの記憶を消すのではなく、そこから生まれた自分を大切に育てるような姿勢だった。『Treasure』はおよそ60万枚を超えるヒットを記録

華やかなサウンド全盛の2000年にあって、静かで凛としたこの曲が多くの共感を集めたのは、“その決意”を感じた人が多かったからだろう。

“Treasure”という名のメッセージ

タイトルに込められた“Treasure=宝物”という言葉。それは、SPEEDとしての日々や、支えてくれた仲間、ファン、そして自分自身――すべてを含めた“感謝のかたち”のように響く。

この曲を境に、hiroはより幅広い活動に挑戦していく。『Treasure』は、そのスタートラインに立つ彼女の姿を映した“静かな宣言”でもあった。25年経った今も、その声は当時と変わらぬ透明さを保ち、聴く者の記憶を優しく包み込む。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。