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放送から“44年”…有名なセリフも飛び出した連続ドラマ「名作」「改めて見ても凄い」今なお多くの人を虜にする“魅力”

  • 2025.11.14
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吉岡秀隆 (C)SANKEI

田中邦衛、吉岡秀隆、中嶋朋子が共演した1981年10月放送のフジテレビ連続ドラマ『北の国から』。脚本は倉本聰が担当している。妻に去られた父・黒板五郎(田中邦衛)が、幼い息子・純(吉岡秀隆)と娘・螢(中嶋朋子)を連れて、北海道・富良野の廃屋で暮らす姿を描いたヒューマンドラマだ。
過酷な自然と家族の絆が織りなす名作『北の国から』の魅力を改めて振り返りたい。

廃屋での生活が描く、親子の絆とたくましさ

主人公たち家族は電気も水道もない廃屋で暮らす。そんな極限の生活を舞台にしたドラマが『北の国から』だ。

第1話では、東京での生活に疲れた五郎が、妻に去られたのをきっかけに、純と螢を連れて富良野へ戻る場面から始まる。二人の子どもを連れてたどり着いたのは、長いあいだ誰も住んでいなかった朽ちかけの家。そこを修理しながら、電気も水道もない暮らしが始まる。便利な都会に慣れた純は不便な暮らしに戸惑い、母のいる東京を恋しがるが、薪を割ったり水を汲んだり少しずつ“生きるための力”を身につけていく。

何もない土地で、何かをつくっていく五郎の姿は不器用ながらも力強く、現代では想像しがたい“原始的な暮らし”の中に、家族としての温もりが確かに息づいていた。

五郎は少しずつ家族らしい日常を築いていく。ささやかなやり取りや心温まるシーンも多く、SNSでも「名作のドラマ」「改めて見ても凄い」「毎回泣ける」といった声が今でも寄せられている。

ブレイク前の吉岡秀隆が光る“純”の演技

純役を演じた吉岡秀隆は、今でこそ映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で知られる名俳優だが、本作出演当時はまだブレイク前。それでも、幼いながらに見せる表情の豊かさや自然体の演技は、まさに光る原石だった。

さらに、NHK連続テレビ小説『エール』(2020年)では原爆投下直後の長崎で治療を続けた医師役で出演。繊細で感情に訴える演技は視聴者から「圧倒的な存在感」「今でも印象に残ってる」といった声が続出。役者として着実に開花していった。

家族愛、人間模様、五郎の人間味が胸に響く

また、五郎を取り巻く人間関係も物語に深みを与えている。五郎の元妻の妹・宮前雪子(竹下景子)や、スナックで働くこごみ(児島美ゆき)など、彼を気にかける女性たちが登場する。不器用ながらも実直な五郎を心配し、精神的な支えになる雪子の姿は、視聴者の心をほっこりと温める。

五郎はいつも子どもたちを第一に考え、人の気持ちを大切にしている。恋や家族との関係に悩みながらも、「子どもたちのためにより良い生活環境を与えたい」という理想を抱き続ける。そんな彼が、厳しい生活の中で家族の幸せを懸命に追求する姿は、観る人に“生きる意味”を問いかけてくる。

また、「子どもがまだ食ってる途中でしょうが!」というセリフは、今も多くの視聴者の記憶に残る名シーンとして知られている。『北の国から '84夏』で描かれた富良野のラーメン屋『三日月食堂』での場面は、不器用な五郎が必死に絞り出した“父親としての叫び”であり、親子の絆が試される瞬間だった。

放送当時から反響を呼んだが、2025年の現在でも称賛の声が寄せられている。厳しい自然の中でも前を向く親子の姿に、今もなお心を動かされる『北の国から』は、時代を超えて生きる人々の心を温め続ける名作だ。