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夫と不倫女にカウンター、破局の糸を引いた妻の「完璧な制裁計画」|夫が保育園の先生と不倫していた話

  • 2025.9.23

夫・拓也視点から始まる本話。彼の胸中に去来する迷いや言い訳、そして家族と不倫相手の間で揺れる浅はかな葛藤が描かれます。そして、不倫相手が保育園の先生だと知った衝撃と、冷たい言葉を突きつけてくる夫への失望。その果てに彩乃が選んだのは「子どもたちを守る」という決意でした。『夫が保育園の先生と不倫していた話』をごらんください。

冷え切った関係の中、夫は「バレてもいい」と開き直り、家族を顧みない態度を見せた。疲弊する彩乃を支えたのは子どもたちの存在。涙を見た娘の言葉に、彩乃はある決断をする。

【夫視点】孤独と不倫のはじまり

ママリ

妻はきっと、良い妻だと思う。自分も働きながら、家事育児にも抜かりがない。俺や子どもたちへの愛情表現も頻繁にしてくれる。

ただ最近、それを煩わしく思い始めていた。子どもたちにとっては良いのかもしれないけど、自分も暗に子ども中心の暮らしを求められているようで正直しんどい。俺なりに家族サービスをしつつも、妻から日常でも「良き夫」を求められているようで息苦しかった。

そんな我慢に初めて気づいてくれたのが菜々先生だった。子どもたちの登園時に立ち話をした時、彼女が声をかけてくれた。

「お疲れじゃないですか?お困りのこととかありませんか?」

妻にも、他の誰からもかけられなかった言葉。自分の心の中の孤独を掬い上げられたようで嬉しかった。そこから俺が子どもたちの送り迎えの時は頻繁に彼女と話すようになった。そのうち口約束のデートから始まり、そこから連絡先を交換、頻繁に連絡を取っては会うような関係になっていた。

初めの頃こそ罪悪感はあった。でも、家庭内では常に俺が聞き役で、俺の孤独は結局満たされることも、知られることもないない。その欲望の捌け口は結局、彼女との時間しかなく、安らぎを得るうちに罪悪感は消えていった。むしろ夫婦生活を続けていくために、この関係が必要とさえ考えるようになったのだ。

ママリ

妻に不倫がバレてしばらく経っても、妻は子どもを思ってか園にバラす気はないようだ。彼女との関係も続けていける――そう思っていた。でも、最近菜々の様子がおかしい。

「拓也さん、いつになったら奥さんと別れてくれるの?私にも子どもができるかもしれないよ?私がどうなってもいいワケ?」
「そんなワケないじゃんか。妻とは相談中だし、もう少し説得に時間がかかるんだよ」
「ふ〜ん。説得相手が奥さん“だけ”なら良いけど……」
「えっ?それってどういう……」
「とにかく急いでよね!」

険悪な雰囲気だけが残った2人きりの車中。菜々は一体なにを疑いだしたんだろう?それからもメッセージアプリのやりとりを続けていたが、次第に菜々からの返信や既読のスピードは遅くなっていった。理由を聞いてもはぐらかされるし、俺はイライラを募らせるようになった。

そしてある日の仕事終わり。彼女から電話がかかってきた。電話に出ると、第一声から彼女の怒号が飛んできた。

「ねぇ、奥さんには口止めしてるって言ってたよね?」
「ちょっ、落ち着いてよ。どうしたの?」
「仕事、クビになったよ。不倫の告発が、写真付きであったって。奥さんしかいないよね?」

予想外だった。妻は子どもたちのことを考えて、口をつぐむと高を括っていた。

「分かった……。とにかく、帰ったら妻に告発が勘違いだったと取り下げるように言うから、落ち着いてよ」
「はぁ?もうそんなの求めてない!あんたも心置きなく他の女に乗り換えられるんじゃないの?」
「他の女?何の話だよ」
「この期に及んで正直に言わないんだね。もう連絡してこないで!」

そのまま、電話を切られた。その後、何度も連絡を取ろうとするも反応がない。メッセージもトークルームがなくなっていた。彼女との関係は突如、終わりを迎えた。

俺は菜々以外と不倫なんてしていない。いったい何の話をされていたのか、俺は見当もつかなかった。

【妻視点】完璧な逆転計画と新たな道

ママリ

夫が帰ってきた。その足取りは重く、意気消沈していた。自分の非を認めたのか、不倫の告発について問われることはなかった。私の計画通りに物事は進んだ。

制裁を決意した私は「不倫関係を終わらせつつ、菜々先生も辞めさせる」逆転計画を立てた。そのためにまず私は、菜々先生に近づいた。あえて「夫の不倫を疑う、惨めな妻」を演じたのだ。これで彼女を優越感に浸らせて隙をつくった。

ただ、そこから相談する内容は架空の不倫相手に関することで「夫の不倫相手」は菜々先生ではない。まさか自分が浮気されていると思わない菜々先生は動揺するだろう。そこで彼女に違和感を植え付けて不安を煽ったのだ。夫への不信感しかない彼女は夫から離れるだろうし。保育園にも戻れない。夫は不倫相手を失い、ついにひとりぼっちになるだろう。

その後、私は夫に離婚を突きつけた。夫は泣きついてきたが、不倫がバレてからの態度を私は許すことはしなかった。シングルマザーとして生きていくことに不安はある。でも、私の親も片親で私を立派に育ててくれた。きっと私にもできる。2人の愛おしいわが子と一緒に、私らしくいられる人生を送ると決めたのだ。私と子どもは、絶対に幸せになれると信じている。

あとがき:母が選んだ、自分と子どもを守るための一歩

本話では、夫の不倫を知った妻が、苦しみの中で揺れ動きながらも「母として」「一人の女性として」強く前を向く姿を描きました。裏切りや孤独は誰にとっても耐え難いものです。ですが、その渦中にいても子どもの笑顔に支えられ、自分の選択を信じて歩み出す力を持てるのが母の強さなのかもしれません。もちろん、すべての家庭に同じ答えがあるわけではありません。それでも「どう生きるか」を自ら選び取る姿を描くことで、どこか心に響くものがあれば幸いです。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

著者:tenkyu_writing

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