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“25年前の朝ドラ”が令和で再評価「夢のようなキャスティング」「気付かなかった」人気俳優たちの“原点”ともいえる名ドラマ

  • 2025.11.14
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大竹しのぶ (C)SANKEI

岡本綾や大竹しのぶらが出演した2000年放送の朝ドラ『オードリー』。京都市太秦を舞台に、産みの母と育ての母の間で揺れながら成長するヒロイン・美月(岡本綾)が、映画の世界で自分の道を切り開いていく姿を描いた作品だ。2024年の再放送では人気が再燃し、「令和の今だからこそ楽しめる」と話題になっている。

登場人物たちの魅力

この作品の面白さは、登場人物の誰もが完璧ではないところにある。

美月を育てる親たちは、それぞれが「美月のため」と言いながらも、結局は自分の思い通りにしようとする存在だ。中でも義母・滝乃(大竹しのぶ)は、かつて抱いた恋心を引きずったまま美月を溺愛し、自分の理想の娘に育てようとする。その行き過ぎた愛情を見事に演じきる大竹しのぶの存在感が、物語に強い余韻を残す。

だが、そんな複雑な環境で育ったからこそ、美月はたくましく成長していく。高校卒業後、美月は周囲の反対を押し切り女優になることを宣言し、映画への憧れを胸に自らの人生を切り開いていく姿が描かれる。脚本を手がけた大石静は、大河ドラマ『光る君へ』でも知られ、人間の複雑な感情や葛藤をリアルに描く作風で高く評価されている。

女優、女将、そして映画監督へ──美月の波乱万丈な人生

美月は大部屋女優としてキャリアをスタートするが、先輩女優からのいじめや恋人・錠島(長嶋一茂)との関係の悩み、次々と試練が降りかかった。一度は映画の世界をあきらめ、旅館の女将としての道を歩むものの、映画への情熱は消えず、28歳で再び「映画監督になりたい」と夢に向かって立ち上がる。

そんな美月を支えたのは、滝乃が経営する旅館『椿屋』で働く君江(藤山直美)や、大京映画の社長・黒田(國村隼)ら、映画を愛する仲間たちだ。彼らの存在が、作品全体の世界観をより魅力的なものにしている。

ブレイク前の俳優たちの演技に注目

この作品を見返すと、今や第一線で活躍する俳優たちの“若かりし頃”の姿に驚かされる。助監督・杉本英記役を演じたのは、当時まだ駆け出し中だった堺雅人だ。小劇場で演技を磨いてきた彼は、映画づくりに情熱を注ぐ青年を繊細に演じ、その高い演技力で観る者の心をぐっと掴んだ。

俳優・幹幸太郎役の佐々木蔵之介も、この作品が出世作のひとつとなった。また、今ではタレントとして“毒舌キャラ”で知られる長嶋一茂の俳優としての姿も新鮮に映る。さらに、大竹しのぶ演じる滝乃の少女時代を、当時10代前半だった戸田恵梨香が演じていたこともSNSで大きな話題となった。再放送を見た視聴者からは「夢のようなキャスティング」「演技力すごい」「再放送見たけど気付かなかった」と驚きと称賛の声が相次ぎ、改めて当時の俳優陣の魅力が再注目されている。

25年たった今、改めて評価される名作『オードリー』

放送終了から20年以上が経った今も、「また見たい」「強烈なドラマだった」「今も思い出す」といった声がSNSに寄せられている。また、放送当時は平均20.5%という高視聴率を記録した。

大竹しのぶや堺雅人、佐々木蔵之介ら、若き日の名俳優たちの姿と熱演は、改めて当時の俳優陣の魅力を浮き彫りにする。そして何より、自らの夢を諦めずに挑み続ける美月の姿は、時代を超えて視聴者の心に力強く響く。すでに見た人も、初めて触れる人も、それぞれの胸に深く残る名作である。