1. トップ
  2. 「これが本物」「えげつない声量」30年後も圧倒する“ソロ復帰初の爽快ソング” 80万枚超を記録した“壮大な翔けるポップ”

「これが本物」「えげつない声量」30年後も圧倒する“ソロ復帰初の爽快ソング” 80万枚超を記録した“壮大な翔けるポップ”

  • 2025.9.26

「30年前の新年、あなたはどんな音楽で幕を開けた?」

1995年1月1日。まだ街にはお正月の静けさが残り、人々は新しい年にどんな希望が待っているのか胸を高鳴らせていた。冬の澄んだ空気を切り裂くように、ラジオや街角から力強い旋律が響いてきた。その声は凛として、どこか広がりを感じさせながら、聴く人をまっすぐ引き寄せた。

ASKA『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』(作詞・作曲:飛鳥涼)——1995年1月1日発売

新しい年に放たれた“ソロの光”

この作品は、ASKAにとって4枚目のソロシングルであり、『はじまりはいつも雨』(1991年)以来、実に約4年ぶりとなるリリースだった。

すでにCHAGE and ASKAとして国民的な人気を確立していた中でのソロ復帰作は、単なる一枚ではなく「新しいASKA像」を提示する重要な意味を持っていた。爽快なサウンドと象徴的なタイトルは、年のはじめにふさわしい大きなスケールを感じさせ、多くのリスナーの心をつかんでいった。

広がる空を音に変えたアレンジの魔法

楽曲の作詞・作曲を手がけたのはもちろん飛鳥涼ことASKA自身。編曲を担当したのは、数々の名曲を生み出してきた十川知司だった。

彼は『SAY YES』や『YAH YAH YAH』(飛鳥涼と共同編曲)などで知られるアレンジャーであり、ASKAとの信頼関係も厚い。

シンプルなバンドサウンドに留まらず、重厚なストリングスや広がりのあるサウンドスケープを取り入れたことで、曲全体が空を翔けるような爽快感をまとった。まさに「晴天」という言葉を音楽で描き出したかのような仕上がりだった。

undefined
ASKA-2010年撮影 (C)SANKEI

凛とした声が描いた“未来への息吹”

『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』の魅力は、ASKAの歌声にある。力強さと透明感を同時に持ち合わせたその声は、激しく前に進むのではなく、聴き手を包み込むように広がっていく。

冬の澄んだ空気に響くような清らかさと、未来を切り開いていくような確かな力を同時に感じさせた。過剰に感情を煽るのではなく、旋律そのものが持つ説得力でリスナーを引き込むのが、この曲の大きな特徴だった。

80万枚が示した“揺るぎない存在感”

シングルは80万枚以上を売り上げ、当時の音楽シーンでも確かな存在感を示した。ダンスナンバーやユーロビート調の楽曲がランキングを席巻していた1995年において、力強くもシンプルなポップソングでこれだけのセールスを記録したことは、ASKAの表現力の強さを裏づけている。

グループ活動の合間に放たれた一枚が、ソロアーティストとしての確固たる立ち位置を改めて示した瞬間でもあった。

新しい年を照らした“清らかな余韻”

この曲がリリースされた1995年の1月、日本は新しい年を迎えたばかりの高揚感と、真冬の凛とした空気に包まれていた。街にはまだ正月の余韻が漂い、テレビやラジオからは次々と新しい音楽が届けられていた。そんな中で『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』は、まっさらな一年の始まりを告げるように響き渡ったのだ。

新しい年の朝に鳴り響いたこの歌は、その瞬間の空気ごと人々の記憶に刻まれている。30年が経った今もなお、あの冬の清らかな風景とともに心を晴れやかに照らし続けている。

現に「聴くと絶対涙しちゃう」「これが本物」「えげつない声量」といった称賛の声で溢れている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。