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「1番カッコいいんよな」25年後も愛され続ける“切ないのに幸せのロックバラード” 50万枚ヒットを記録した“静かなる名曲”

  • 2025.9.22

「25年前の冬、どんな歌が心を温めていたか覚えてる?」

2000年の幕開け。テレビからは華やかな歌番組の特番が流れ、街角のカラオケボックスからは流行のメロディがこぼれてくる。そんな時代の入り口に鳴り響いたのが、ひときわ穏やかな旋律をまとった一曲だった。

GLAY『HAPPINESS -WINTER MIX-』(作詞・作曲:TAKURO)——2000年1月1日発売

冬の始まりを告げた、静かな輝き

本作は、前年にリリースされ230万枚を超える大ヒットを記録したアルバム『HEAVY GAUGE』からのリカットシングル。GLAYにとって18枚目のシングルであり、藤原紀香主演のドラマ『金曜日の恋人たちへ』(TBS系)の主題歌としても注目を集めた。

当時のGLAYはシングルを出せばミリオン級のヒットが当たり前のように続いていた時期だが、この作品は約50万枚のセールスにとどまった。それでも“リカットシングルで50万枚”という事実自体が、彼らの勢いを如実に物語っている。数字の上下では測れない、「存在そのものの大きさ」を示す楽曲だった。

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GLAYのコンサートより。ボーカルのTERU-2000年撮影 (C)SANKEI

ピアノが描き出す、冬の温もり

『HAPPINESS -WINTER MIX-』は、ミディアムテンポのロックバラード。ピアノの音色が全体を包み込み、冷たい空気の中で灯る暖かな光のように響いてくる。普段はギターをかき鳴らすTAKUROが、ミュージックビデオでは鍵盤を弾いている姿も印象的だった。

TERUの柔らかな歌声に、透明感と温度感が重なり合い、聴く者に「ささやかな幸せ」を思い起こさせる。耳を傾ければ、外の寒さとは対照的に、胸の奥でほのかに広がる温もりを感じることができた。

ドラマと共鳴した、切なさと幸福感

ドラマ『金曜日の恋人たちへ』の主題歌として流れたことで、この楽曲は物語の余情とともに記憶される人も多いだろう。華やかな恋愛模様に寄り添うように響く旋律は、視聴者の胸に「冬の切なさと幸福感」を同時に刻みつけた。

セールス的には彼らの代表的なミリオンヒットに比べて控えめだったが、その分、この曲が持つ“静かな魅力”は聴き手に長く残り続けている。ふとした瞬間に耳にすると、当時の映像や空気感が鮮やかに蘇るのだ。

記憶に溶け込む、冬のバラード

2000年の始まりとともに再び届けられたこのバラードは、まるで雪景色に差し込む朝の光のように柔らかく、確かにその季節を彩った。大きな記録を残した作品群の陰にありながら、GLAYの音楽の奥行きを示す重要な一曲であることに変わりはない。

25年経った今でも、街に冷たい風が吹くと、ふと聴きたくなる。

「1番カッコいいんよな」「めちゃくちゃ良いんだよなぁ」「やっぱり最高!」といった声が飛び交う通り、あの頃の「幸福感」とともに、今も変わらず心を温め続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。