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“予想外の展開”が続く話題のドラマに視聴者から熱視線「さすが野木亜紀子」第3話で明かされた“登場人物たちの間違い”とは

  • 2025.11.12
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『ちょっとだけエスパー』第3話 (C)テレビ朝日

もっとも新作が期待される脚本家といっても過言ではない野木亜紀子と大泉洋の9年ぶりのタッグ作として期待を集めていた『ちょっとだけエスパー』。第3話までの放送を終え、全貌とは言えないにせよ、すこしずつ物語の輪郭が見え始めた。

※以下本文には放送内容が含まれます。

世界を救うとは?

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『ちょっとだけエスパー』第3話 (C)テレビ朝日

横領で会社をクビになったどん底サラリーマン文太(大泉洋)。『ノナマーレ』という会社の最終面接で飲んだ一粒のカプセルの効果で、触れた相手の心の声を聞ける能力を身につける。

その能力を使っておこなう仕事は、世界を救うこと。スマホに通知される日々の細々としたミッションを同じくエスパー能力を持つ桜介(ディーン・フジオカ)、半蔵(宇野祥平)、円寂(高畑淳子)と共に、遂行する日々が始まる。そして、文太にはもう一つのミッションが。なぜか自分のことを本当の夫だと思い込んでいる謎の妻・四季(宮﨑あおい)と夫婦としての生活を送らなければならないのだ。しかし、『ノナマーレ』の規則上、エスパーたちは人を愛してはならない。チャーミングで、一途に自分を思ってくれるかわいらしい妻を目の前に、文太は戸惑うことになる。

一風変わったSF設定を持つ本作。第1話は文太が戸惑いながら小さなミッションをこなしていく姿が描かれたが、第2話では箱根を舞台に大きなミッションに挑戦する。それは画家・千田守(小久保寿人)が目的地に着くのを阻止すること。千田は、贋作を売ることで大金を手にし、自分の画家としての力を試そうとしていたのだ。文太は、千田に贋作を売るように焚きつけるようなことを言いながらも、「やりたいことをやってください」という真摯な言葉をかけ、千田の気持ちを変える。千田は贋作を売るのをやめるのだった。

エスパーたちは千田を止めたことにより、世界を救ったと思い込んでいる一方、千田はトラックに轢かれて一生を終えてしまう。第2話は世界を救う=対象者が幸せになるとは限らないという厳しい現実を突きつける結末となった。

間違いを犯したことのあるエスパーたち

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『ちょっとだけエスパー』第3話 (C)テレビ朝日

文太は300万円の横領により、職も家族も失った男だ。周りもやっているからと流され、間違いを犯した人物だ。第3話では、他のエスパーたちも間違いを犯していることが明らかになった。

桜介は家族を守るために殺人を犯した経験がある。半蔵は動物を愛するあまり、悪徳繁殖業者を殺しかけてしまった。円寂にも事情があるようだ。言うなれば、一度社会的に間違いを犯した人物たちが、世界を救うためにヒーローになっているのだ。4人からすれば、エスパーとしてのヒーロー活動は一度犯した間違いに対する償いであり、折れ曲がっている自分を正す行動なのかもしれない。

謎なのは、彼らをスカウトしている『ノナマーレ』の社長・兆(岡田将生)だ。彼らの経歴を把握しているのはもちろん、ミッションの先にどんな未来が待っているのかまで予測できているようだ。兆だけは、4人の活動の先にある遠い未来に何が起きるのかを分かっているのかもしれない。そして、分かっているからこそ、間違いを犯した経験のある人材を利用していると受け取ることもできる。

第3話では、第1話で彼らがエスパーであることを知ってしまった謎の大学生・市松(北村匠海)が登場。きつねのお面を付けて爆発現場を眺める姿、お面を外したあとの表情など、黒幕を想起させる振る舞いを見せた。兆&エスパーたちVS市松という構図になるのだろうか。それとも予想のつかないスケールの大きな物語になっていくのだろうか。

SNSでは、「さすが野木亜紀子脚本」「北村匠海は何者?」など、意外な展開に惹かれている視聴者が多い様子。野木による初のSF作品はどのような価値観を世の中に提示してくれるのか見守っていきたい。


テレビ朝日系『ちょっとだけエスパー』毎週火曜よる9時~ 放送

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202