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「隣に誰も来てほしくない」高速バスの“相席ブロック”が物議。批判の一方、「痴漢被害も」「男女が隣は怖い」と切実な声

  • 2025.11.4
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

高速バスは、一般的に新幹線や飛行機に比べて運賃が割安なことが多く、夜行便を利用すれば宿泊費を節約できるケースもあるため、学生や若年層を中心に根強い人気があります。

しかし、その「安さ」の裏側には、長時間の移動や隣席との距離の近さといった課題も存在します。特に4列シートの夜行バスでは、隣に知らない人が座ることへの抵抗感を持つ利用者も少なくありません。

そんな中、SNSで話題となっているのが「相席ブロック」と呼ばれる行為です。どういった行為で、どのような問題点があるのか、詳しく紹介します。

SNSで話題の「相席ブロック」とは

「相席ブロック」とは、高速バスや夜行バスの座席指定システムを利用して、自分の席だけでなく隣の席も予約し、出発直前になってから隣席の予約をキャンセルし、隣の席に他の人が座らないようにする行為のことを指します。

この行為によって座席の一部がブロックされてしまい、満席時に他の乗客が予約できない事態も発生しています。特に繁忙期や人気路線では、本当にその席を必要としている人が予約できないという問題が起きているのです。

バス会社が相次いで注意喚起

バス会社側も「相席ブロック」には注意を促しています。

例えば、JRバス関東(@jrb_kanto)は2025年年4月、公式X(旧Twitter)に、「乗車券はご利用される人数分の乗車券をお買い求めください。意図的に相席をブロックするご予約などは、他のお客さまのご迷惑となりますので、絶対におやめください」と投稿。

沿岸バス(@enganbus)は2024年6月、公式Xにて「高速乗合バスの『相席ブロック』行為について。個人で2名分隣り合わせに予約して出発間際に1名分をキャンセルするなど、意図的に相席をブロックする行為は、絶対におやめください」とアナウンスしました。

このよういくつかのバス会社が、相席ブロックは「他のお客さまのご迷惑となる」行為であると明言し、利用者に自粛を呼びかけています。

出典:
JRバス関東 公式X(@jrb_kanto)
沿岸バス 公式X(@enganbus)

「キャンセル料を高くすべき」SNSで交わされる議論

SNS上では、この問題についてさまざまな意見が交わされています。

多く見られるのが、「キャンセル料を高くしては?」「せめて前日なら100%キャンセル料が発生してもいいと思う」という声です。一方で、「本当にやむを得ない理由でキャンセルせざるを得ない人もいるからなあ」という慎重な声や、「キャンセル料を高くするとそのバス会社の利用や、高速バスという手段自体も敬遠されるおそれがある」という見方も。

また、「何十年も前からこれをやる人はいるよね」「隣に人がいるのは嫌だけど、それ込みでの安さでは?」「隣に誰も来てほしくない気持ちは分かるけど、そういう人のせいでキャンセル期間が短くなったら嫌だ」など、相席ブロックという行為自体への批判的な声も多くみられます。

「安いなりの理由がある」という指摘や、「自分の都合で他人に迷惑をかけるべきではない」という意見がありました。

「根本的な課題は座席の構造」という指摘も

一方で、「体が大きいので4列シートの相席は結構きつい」「独立シートを増やしてほしい」など、安いとはいえもう少し居心地の良さを追求してほしいとの声も見られました。

隣の人との距離が非常に近く、長時間の移動では窮屈に感じたという方や、夜行バスでは、隣の人の寝息や体の揺れなどが気になって眠れないという経験をした人もいるようです。

もちろん意図的な予約キャンセルは問題のある行為だという前提で、座席配置に関しても課題があるのではとの声も上がっています。「隣の男性がわざともたれかかってきたことがあったから、高速バスの隣席は同性になるようにしてほしい」「怖い思いをしたことがあるので、男女が隣り合わないように工夫が欲しい」など、実際に怖い経験をしたという声もあり、安心して利用できる環境づくりが求められているともいえます。

また、「自分の隣の席が女性でかわいそうだった。こちらも気を使うし、女性の隣を男性にしない考慮が必要では」「痴漢被害もあるし、仕切りなどのシステム面を強化しては?」というコメントもあり、安全面での観点から、座席割り振りへの配慮を求める意見が、性別問わず寄せられていました。

「公共のマナー」と「安全性」のはざまで

他の利用者が予約できなくなることから、「相席ブロック」という行為は問題視されています。利用者側も「安さにはそれなりの理由がある」ことを理解し、どうしても隣席が気になるのであれば、料金が高くても独立シートのある便や、他の交通手段を選ぶという選択肢もあります。

その上で、長時間運行の移動手段においては、一定の安全性の確保も必要との声もあります。

さらに、この問題を解決するには、利用者のモラルだけに頼るのではなく、バス会社側の工夫も必要というコメントも見られました。利用者、事業者、そして社会全体がどのような折り合いをつけていくのか。今後の動向が注目されます。


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