あいみょん、長濱ねる、YOASOBIも…「タトゥー」発覚で “SNS炎上” するメカニズム　 失望するファン層とは

「ガッカリした」などの批判も

シンガーソングライターのあいみょんさんが、左腕に入っているタトゥーで炎上を起こしました。あいみょんさんは、女性ファッション誌「GINZA」（マガジンハウス社）の表紙や誌面に登場。頬づえをつく写真が掲載され、左腕にモノトーンと見られるタトゥーを入れていることが判明しました。この写真が公開されると、SNSではファンが「ガッカリした」など批判的なコメントを数多く投稿。また、「似合っていて良い」など好意的なコメントも多く、賛否両論が巻き起こる炎上状態となっています。

なぜ、あいみょんさんはここまでタトゥーで炎上したのでしょうか？ まず、あいみょんさんの音楽性とイメージが大きく関係しているからと言えるでしょう。あいみょんさんは、2016年11月にシングル「生きていたんだよな」でメジャーデビュー。「マリーゴールド」などのヒットで大ブレークし、現在では日本を代表するシンガーソングライターへと成長しました。

楽曲は、昭和のフォークソングをイメージさせる曲調で、どこか懐かしさを感じる歌詞も特徴。また、ビジュアルもかわいらしい癒やし系の雰囲気があり、若い世代だけでなく40～50代からも高い人気を獲得しています。そのため、どちらかといえば今回は年配のファンが否定的な意見を投稿している印象です。

そもそも、あいみょんさんはデビュー当初は尖った感性を売りにしている部分があり、個性が強いミュージシャンでした。その頃からのファンは、タトゥーに関しても特に驚くことがなく容認派になっていると思われます。逆に、楽曲が大ヒットしてからファンになった人たちは「あいみょん ＝ 良い子」というイメージがあり、タトゥーが許せないと騒いでいるのではないでしょうか。

ちなみに、同時期に元欅（けやき）坂46の長濱ねるさんも、タトゥー騒動を起こしました。長濱さんは、2025年7月15日に写真集「長濱ねる」（講談社）を発売し、左胸の脇あたりに小さいハートのタトゥーが入っていると話題に。結果、一部のファンからは批判的なコメントがSNSや通販サイトのレビューに寄せられました。

長濱さんに関しては、清純派アイドルだった過去があり、タトゥーを許せないファンがいるのでしょう。

少し遡れば、YOASOBIのAyaseさんやシンガーソングライターの優里さんも、タトゥーが入っていることで一部のファンから批判されています。この二人も、デビュー当初は正統派なイメージで、タトゥーを容認できなかったファンが出たことが予測できます。

なぜ、日本人はこんなにもタトゥーが嫌いな人が多いのでしょうか？ 一つは、今でもプールや公衆浴場でタトゥーを禁止する施設が多く、「タトゥー ＝ 悪」というイメージが確かにあることです。特に、年配者ほどタトゥーは入れ墨と同じと捉え、どちらかといえば反社会的なイメージを持っている人が多いことが予想されます。

また、テレビの影響も大きいと考えます。

筆者もテレビ局で働いていましたが、バラエティをはじめ、どんな番組でも「タトゥーは映すな」というのが基本的な決まり事でした。理由としては、CMスポンサーからのイメージが悪くなるからです。どのCMを見ても、基本的にはタトゥーを露出する著名人が出演していないことから分かる通り、テレビ的には好ましくないものになります。

さらに、もし有名人のタトゥーを見てファンの未成年がまねしたら、大問題になるからです。現在では、ミュージシャンが歌番組でタトゥーを見せることもありますが、極力は衣装などで隠す演出をしています。こういった、テレビでタトゥーはNGという話は、バラエティー番組でよく話題になることでおなじみです。M-1王者のウエストランド・河本太さんは、タトゥーのせいで肌を見せるロケに参加できないことを明かしているほどです。

こういった情報もあり、タトゥーは悪というイメージが日本人に刷り込まれているのでしょう。そのため、上記したような正統派のイメージを持っていた著名人が、タトゥーを入れることで騒ぐのだと考えます。

さて、意外な形で炎上したあいみょんさんですが、2025年8月16日（土）に広瀬すずさんのラジオ番組へ出演した際のオフショットでタトゥーを見せています。SNSで公開された写真にはタトゥーが写り、本人は隠すつもりがないようです。

賛否両論を巻き起こしたあいみょんさんのタトゥー騒動。最終的にどのような評価に落ち着くかは分かりませんが、日本人にはまだまだ多くの“タトゥー・アレルギー”の人がいることを知らしめました。ちなみに、前述した広瀬さんの番組の公式SNSでは、現在もあいみょんさんのタトゥーを見られるので、興味がある人はのぞいてみてください。

（ゆるま小林）