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“危うさを感じる演技”に視聴者も釘付け「わざとじゃね?」「怪しい」これからの活躍に期待が集まる“舞台出身の女優”

  • 2025.9.3

土曜ドラマ『放送局占拠』が絶賛放送中の、通称『占拠』シリーズにおいて、もはや警察内部に裏切り者が潜んでいるパターンは定番中の定番。仮面で顔を隠した武装集団が多数の人質を取り、かつてない規模の占拠事件に挑むタイムリミット・サスペンスにおいて、一際怪しい存在感を放っているのが情報分析官・三宅すず役の吉田芽吹だ。

三宅すずというキャラクターの役割

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『放送局占拠』第2話より(C)日本テレビ

吉田芽吹が演じる三宅すずは、今作から新しく配属された、警視庁刑事部SSBCの情報分析官。同じく情報分析官の志摩(ぐんぴぃ)と並んでパソコンの前に座り、事件の全容を冷静に把握するよう努めている。

しかし、彼女はただそれだけの役回りではない。ドラマ公式サイトの人物紹介によると、明るく前向きで、常に行動力を失わない彼女は、現場に活力を与える存在だという。

明るい性格で、常に前向き、常に積極的で行動力がある。占拠事件で活躍した情報分析官の志摩に憧れている。引用元:ドラマ『放送局占拠』公式サイトより

彼女のリアクションは、緊迫する占拠事件の現場において“揺らぎ”を生む。すずは過去の事件で活躍した情報分析官・志摩に憧れており、その思いを胸に警視庁に立っているのだ。志摩の冷静さを手本としながらも、自分らしい方法で事件に立ち向かう姿は新鮮だ。

吉田のキャリアは、主に舞台に根差している。2012年RISU PRODUCEの舞台『ヤミ金融』や、渡辺えり主宰のオフィス3〇〇舞台『鯨よ!私の手に乗れ』など、数々の舞台経験を重ねてきた。その身体表現力は、カメラ前でも健在だ。

舞台出身の女優は、感情を大きく、観客の隅々にまで伝える力を持つ。一方で映像においては、過剰になりすぎず、抑制されたなかで自然なニュアンスを表現する調整力が求められる。吉田はそのバランスを巧みにとり、視線や仕草、声の抑揚といった細部で感情を伝える。情報分析官という一見目立たず、無機質に見える役柄にも、不自然になりすぎない人間味とリアリティを宿す所以である。

演技の振れ幅:明るさと葛藤の両立

吉田芽吹の醸し出す魅力の一つに、どこか天性の明るさを感じさせる佇まいがある。とくに本作『放送局占拠』内において、鬼気迫る占拠事件を前にした刑事部の人間たちは、やはり緊迫感のなかに追いやられがちだ。

そんな状況下、吉田演じる三宅すずの存在は、どこか観客に安心感をもたらす。ふとした笑顔や前向きな言葉は、ただのキャラクター設定にとどまらない。彼女自身の持ち味としても、存分に画面に映し出されている。

『占拠シリーズ』は随所に張り詰めた空気が混在するドラマだが、吉田は、その緊張感に柔らかい光を差し込む。これは、役者としての個性とキャラクターの融合が成し得るものだろう。

吉田は舞台・映画・ドラマで多様な役柄を経験してきた。園子温監督の映画『リアル鬼ごっこ』での迫力ある演技や、映画『こっぱみじん』での繊細な感情表現。『放送局占拠』では明るさを前面に押し出す一方で、物語が進むにつれて“疑惑”の影を帯びる。

SNS上では「わざとじゃね?」「怪しいと言われ続けてる」と、三宅すず=座敷童説が飛び交っている。吉田の表情の変化や微妙な間の取り方が、この“裏切り者”の可能性を観客に意識させるのだ。

シリーズの緊張感に差し込む光

『放送局占拠』はシリーズの伝統として、警察内部に裏切り者が潜むという定番を描いてきた。今回、その疑惑を担う可能性のある新キャラクターが三宅すずだ。吉田の演技が、視聴者に「この人物を信じていいのか?」と問いを投げかける仕掛けとなっている。

明るさと疑念、その両方を行き来する難しい役どころを、最終回にかけてどう演じ分けるのか。吉田にとって大きな挑戦であると同時に、女優としての飛躍の場でもある。

これまで舞台を中心に着実にキャリアを積み、映像でも存在感を示してきた吉田芽吹。『放送局占拠』での活躍は、彼女の名を一段と広く知らしめるだろう。

彼女の演技の魅力は、「人間らしさ」を忘れないことにある。情報分析官としての冷静さと、ひとりの女性としての感情。その両面を的確に演じ分けられるからこそ、緊迫したサスペンスの物語にリアリティと温度を与えることができる。

シリーズを通じて成長する三宅すずの姿、そして吉田芽吹という女優が放つ光。その両方が視聴者を惹きつけてやまないだろう。

『放送局占拠』で吉田芽吹が演じる三宅すずは、警察サイドの“新しい風”でありながら、物語を揺さぶる存在としても描かれていく。舞台仕込みの表現力、明るく親しみやすいキャラクター性、そして葛藤をも繊細に演じられる幅の広さ。

吉田芽吹は、緊迫したサスペンスの世界において“人間の温かさ”を宿す貴重な女優だ。シリーズに新たな彩りを与えつつ、今後の日本ドラマ界を担うひとりとして、大きな飛躍を期待せずにはいられない。


日本テレビ系ドラマ『放送局占拠』毎週土曜よる9時

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_


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