1. トップ
  2. 25年前、日本中が熱狂した“新時代のガールズヒップホップ” 自らの言葉で刻んだ“進化系ダンスナンバー”

25年前、日本中が熱狂した“新時代のガールズヒップホップ” 自らの言葉で刻んだ“進化系ダンスナンバー”

  • 2025.9.10

「25年前、街を包んでいた“あのビート”を覚えてる?」

2000年の始まり。カウントダウンイベントや渋谷のスクランブル交差点には新しい世紀への空気が漂い、音楽シーンもまた大きなうねりの中にあった。CDショップの棚にはR&Bやヒップホップを取り入れた最新のJ-POPが並び、クラブからは重低音のビートが夜通し響いていた。

テレビでは華やかな歌番組が次々に放送され、街角のカラオケボックスには学生や社会人が集まり、仲間とともに最新曲を歌い上げていた。そんな時代に、ダンスと歌で人気を集めていた4人組が、自らの手で新しい一歩を刻むシングルを発表した。

MAX『Never gonna stop it』(作詞:MAX・作曲:笹本安詞、CHINO)——2000年2月16日発売

自分たちの言葉で刻んだ第一歩

『Never gonna stop it』は、MAXにとって16枚目のシングルにあたる。この作品で彼女たちは初めてセルフプロデュースを手がけ、歌詞を自ら紡いだ

これまでユーロビートや、耳に残るポップチューンを中心に活動してきたグループが、ヒップホップ調のサウンドを自ら選らんだことは大きな意味を持っていた。

90年代後半に数々のヒットを飛ばしてきたMAXにとって、2000年の最初に放ったこの曲は、過去を踏まえつつ新たな地平を目指す宣言のようでもあった。タイトル通り「止まらない」という意思を込めたビートは、リスナーの胸に“挑戦のサイン”を刻んでいったのだ。

undefined
2000年、コンサートで歌うMAX (C)SANKEI

鋭いビートに宿る挑戦の熱

笹本安詞とCHINOが手がけたトラックは、当時のクラブシーンに通じる鋭いリズム感を持ち、4人の華やかで力強い歌声が巧みに絡み合っていた。キレのあるサウンドに重ねられる歌声は、それまでのMAX像に新しい輪郭を与え、聴く者に「次の時代が始まった」と感じさせるものだった

華やかさと同時に、挑戦の熱を帯びた音がそこにはあった。これまでにない重厚感を備えながらも、彼女たちの持つ明るさやポジティブさを失わない仕上がりは、ダンスグループとしての存在感を一層際立たせるものだった。

新しい夜を切り開いたリズム

この曲はブルボンのCMソングに起用され、テレビを通じて多くのリスナーの耳に届いた。軽快なリズムと挑発的なムードを帯びたメロディは、日常の中で何度も繰り返し耳にすることで、自然と心に残る存在になっていった。

前作の『一緒に・・・』で見せたしっとりとしたバラード的な一面とは対照的に、『Never gonna stop it』は2000年最初のシングルとして未来志向を強く打ち出した楽曲だった。セルフプロデュースという新たな挑戦は、単なるスタイルの変化にとどまらず、メンバー自身の意思を色濃く反映させる試みであり、ファンにとってもグループが次のステージへ向かうことを告げる合図となった。

時代の転換点に刻まれた一曲

1990年代後半、MAXは『Give me a Shake』や『Ride on time』など数々のヒット曲でトップグループとしての地位を築いていた。その流れを受けつつも、“自分たちの言葉”で楽曲を発表したことは、単なるシングルリリース以上の意味を持っていた

セルフプロデュースによって生まれた『Never gonna stop it』は、単なるイメージチェンジではなく、アーティストとしての成長を刻んだ象徴的な作品となったのだ。20世紀最後の年、区切りのタイミングにあって、彼女たちが自らの未来をどう描いていたかが、この楽曲からは鮮やかに伝わってくる。

あれから25年。今この曲を聴くと、ミレニアムの幕開けを彩った当時の街のざわめきや、夜を切り裂くビートの記憶が蘇る

テレビ画面から流れるCMの一場面、クラブで鳴り響く重低音、カラオケで仲間と声を合わせた夜。そうした断片的な記憶とともに、『Never gonna stop it』は今なお心の奥に力強い余韻を残している。

挑戦の意思を刻んだそのサウンドは、時代の転換点を駆け抜けた証として、未来へ向かうエネルギーを響かせ続けているのだ。

現に、SNSでは「個人的名曲1位」「とにかくRapがカッコいい」「当時小学生だった」と、現代でも楽曲を楽しみ懐かしむ声が飛び交っている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。