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35年前、日本中が聴き入った“エネルギッシュな別れの歌” 初のアルバム1位へと導いた“プッシュホンの失恋ソング”

  • 2025.9.8

「35年前、受話器を握りしめて“その声”を待ったことはある?」

1990年の秋。街にはまだバブルの余韻が残り、ネオンに照らされた繁華街は華やかに輝いていた。だがそのきらめきの中で、人々はどこか心細さや不安も抱えていた。

恋人や大切な人とつながる電話の受話器。番号を押す指の緊張や、呼び出し音の合間に訪れる沈黙に、期待や不安、そして別れの気配が凝縮されていた。

そんな時代の空気を力強く映し出したのが、DREAMS COME TRUEの一曲だった。

DREAMS COME TRUE『さよならを待ってる』(作詞:吉田美和・作曲:吉田美和、中村正人)——1990年9月21日発売

アルバム『WONDER 3』へとつながる、勢いあふれる7枚目のシングルだった。

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吉田美和と中村正人、1997年撮影(C)SANKEI

受話器の向こうに揺れる想い

『さよならを待ってる』は、電話という日常の中に潜むドラマを鮮やかに描き出した。

プッシュホンが主流となりつつあった時代、「ダイアルを押す指」という歌詞は、番号を一つずつ選んで押す所作そのものが緊張とときめきを含んでいたことを思い出させる

デビューからの数年で、『うれしい!たのしい!大好き!』『笑顔の行方』など明るくポップな楽曲を世に送り出し、ドリカムは人気グループへと急成長していた。その勢いの中で『さよならを待ってる』は、別れをテーマにしながらも、エネルギッシュなサウンドで聴く者を包み込む。

吉田美和のボーカルは力強く伸びやかで、切なさと熱気を同時に響かせている。抑制ではなく、鮮やかな感情表現が楽曲を一層印象的にしているのだ。

1990年11月にリリースされたアルバム『WONDER 3』は、ドリカムにとって初の1位を記録した作品。その中で『さよならを待ってる』は、派手さと切なさを同居させたバランスの妙を示していた。アルバムの中でも、この曲は“切ない別れの瞬間”を切り取り美しさを放っていた。

音に宿る躍動と煌めき

中村正人のアレンジは、シンセサイザーの厚みやリズムの強さが前面に押し出され、当時のJ-POPらしい華やかさをまとっていた。印象的なオケヒットの響きは、楽曲全体を鮮やかに彩る“もうひとつの主役”として存在感を放っている。

さらに低音のベースラインは安定感を与えつつ、心の揺れをダイナミックに支える。切ないテーマを扱いながらも、サウンドの質感はむしろ力強く華やかで、聴く者の感情を高揚させる。

そこにはドリカムならではのポップな躍動感と、ライブの場面でさらに輝きを増すであろう迫力が込められていた。

心に残る“鮮やかな余韻”

『さよならを待ってる』はその派手なサウンドと切ないストーリーが重なり、今も聴く人の胸に強い印象を残す。

電話のベルに胸を高鳴らせたあの時代。この曲を聴けば、恋の“鮮やかな余韻”が今もなお甦る。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。


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