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20年前、日本中が胸を打たれた“異彩を放つ哀悼のバラード” ポップス全盛の時代に響いた“重厚なる魂の旋律”

  • 2025.9.9

「20年前の夏、どんな音楽が心に残っていた?」

2005年の日本。街にはポップスやダンスチューンがあふれ、携帯音楽プレーヤーを片手にした若者たちが新しい時代を歩き始めていた。ランキングを賑わせていたのは、軽快でカラフルなサウンド。そんな時代の真ん中に突如として現れたのが、深い静けさと重厚な響きを持った一曲だった。

長渕剛『CLOSE YOUR EYES』(作詞・作曲:長渕剛)——2005年8月24日発売

映画『男たちの大和/YAMATO』の主題歌として書き下ろされたこの曲は、20世紀の記憶を今に伝える戦争映画とともに、多くの人々の心に強い余韻を残した。

戦火を見つめたメロディ

『男たちの大和/YAMATO』は、戦艦大和に乗り込んだ乗組員たちの生と死を描いた壮大な戦争映画だった。公開当時、そのスケールとテーマ性から大きな話題を呼び、世代を超えて多くの観客が映画館に足を運んだ。

その主題歌として書かれた『CLOSE YOUR EYES』は、単なる主題歌ではない。物語に寄り添い、亡くなった兵士たちへの鎮魂と、平和への祈りを託すように響く。長渕自身が深く向き合い、命を散らした者たちの心情に寄り添いながら生み出された曲であり、映画と楽曲が一体となったものだった。

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2005年、映画『男たちの大和/YAMATO』の尾道ロケに駆けつけた長渕剛 (C)SANKEI

祈りを宿した歌声

この曲を聴いたとき、まず心を打つのは長渕剛の歌声だ。低く響く声には重みがあり、かすれた息づかいからは、ひとつひとつの言葉に込められた想いが伝わってくる。サビに向けて力強く高ぶる瞬間には、聴く者の胸を締めつけるような切実さが宿っている。

決して派手な展開ではなく、抑制の効いた旋律と声の表現力が合わさることで、楽曲全体が祈りのような響きを持つ。「歌」ではなく「魂の言葉」として届く――それが『CLOSE YOUR EYES』の核心だ。

海原に広がる音の波

編曲は長渕自身が手掛け、さらに長年彼を支えてきた瀬尾一三がストリングスアレンジを担当。瀬尾のタッグで弦楽器の響きが重層的に積み重なり、静かな序章から一気にスケールを増す構成が際立つ。

フォークやロックの枠を超え、映画音楽のように壮大で荘厳なサウンドスケープ。そこには、弦楽の膨らみとアコースティックな響きが融合し、まるで戦艦大和が海を進む姿を思わせるような重厚感が漂っている。ポップス全盛の2005年の音楽シーンにおいて圧巻な存在感だった。

喧騒に抗う静けさ

2005年は、着うたや配信サービスが音楽の楽しみ方を変えつつあった時代。若者の耳を引くのは、キャッチーでテンポの速い楽曲が中心だった。

そんななか、『CLOSE YOUR EYES』は明らかに異彩を放った。流行やトレンドを追うのではなく、過去の記憶を未来に手渡す楽曲。軽快なサウンドが街にあふれる一方で、スクリーンから流れるこのバラードは、静かに聴く人々の心を深く揺さぶった。時代の喧騒に抗うような存在感こそ、この曲の特別さだった。

長渕剛が刻んだ“歴史への眼差し”

長渕剛といえば、社会への眼差しを持った楽曲を数多く手がけてきたアーティストだ。『CLOSE YOUR EYES』もまた、その系譜にある。だが、この曲が特異なのは「戦争」というテーマを背負い、映画とともに記憶されている点だろう。

個人の想いや愛を歌うだけでなく、歴史を見据えた祈りの歌。その姿勢は、アーティストとしての長渕剛の幅をさらに広げた。音楽を超えて「記録」と「記憶」の両方に刻まれた作品となったのである。

20年後に残された余韻

20年が経った今、『CLOSE YOUR EYES』を聴くと、当時の映画館の暗闇と、スクリーンに映し出された大和の姿が蘇る。そして長渕が歌う声は、単なる主題歌ではなく「時代への問いかけ」として響き続ける。

流行の彼方に立ち、鎮魂と祈りを託したメロディ。それは時を経ても色褪せることなく、今も静かに人々の心に残り続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。


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