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「今回初めて知った」月10ドラマ出演で気付いた“教育現場の今” 新境地を切り拓く女優の“心境と挑戦”【独占インタビュー】

  • 2025.8.29

2025年7月14日(月)にスタートした、カンテレ・フジテレビ系 新月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』。独特の感性を持つがゆえに、人生にも仕事にも臆病だった弁護士が、少子化による共学化で揺れる私立高校に、“スクールロイヤー”(学校弁護士)として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、不器用ながらも必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマだ。本作で、弁護士・白鳥健治役で主演している磯村勇斗や、高校の理事長・尾碕美佐雄を演じている稲垣吾郎と共演し、幸田珠々を演じている堀田真由。TRILLでは、彼女に単独インタビューし、自身初となる高校教師役についてや、ドラマの魅力などを語ってもらった。

『僕達はまだその星の校則を知らない』堀田真由インタビュー 前編

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(撮影/松川李香)

――本作は学園ものの中に弁護士“スクールロイヤー”が登場するという設定で、新しいタイプのドラマだという印象を受けました。堀田さんは、本作の内容を知った時、どのような感想を持ちましたか?

堀田真由(以下、堀田):恥ずかしながら、スクールロイヤーという存在を今回初めて知ったのですが、確かに学校の内側で起こる問題を、平等に見てくださる方がいるというのは、とても大事なことだと感じました。中立な立場から、私情を挟まずにしっかりと公平に向き合ってくださる存在ですよね。昨今、先生方はとても大変な状況にあるということもよくお聞きします。保護者の方からの電話対応に追われて、本来の業務がままならないというお話も耳にします。そういった、先生の管轄ではない部分で中立に立ってくださるのがスクールロイヤーであり、日本の教育においても、とても重要な存在になっていくのではないかと思いました。そうした存在を、ドラマを通して先駆けてみなさんにお伝えできることがすごく嬉しいです。

――学園ものにも弁護士ものにも出演経験のある堀田さんから見て、本作の見どころや魅力はどんなところだと思いますか?

堀田:弁護士役を演じた時は、「人の人生を左右する」「人が人を裁く」という重みを感じながら、法にはグレーがなく、白黒がはっきりしているものだと捉えて演じていました。学園ものでは、法律で裁く正しさではなく、生徒たちの気持ちや個性を大事にする作品が多く、そのような部分を意識してきました。今回の作品では、スクールロイヤーの健治と教師の珠々が、“法では裁けない心”をどう見るかという視点で、お互いの価値観が、ぶつかり合いながらも、学校での生活を通して新しい理解が生まれていきます。学校の先生と弁護士という立場の異なる二人が関係性を深めていく姿が描かれている部分で、学園ものと弁護士ものが融合していて、すごく面白いと感じています!

共通点が多いからこそ気持ちが手に取るように分かる

――高校教師の役を初めて演じるにあたって、どのような準備をして撮影に臨みましたか?

堀田:特別な準備はしませんでした。例えば、時代劇だったら所作などを身につけたり、体形を変える必要がある作品の場合は、太ったり痩せたりすることもあるのですが、今回はどちらかと言うと“普通”という役どころが逆に難しいなと感じました。でも、私自身は割と珠々と近い部分があり、共通点が多い印象でした。私も彼女と同じで、「これが得意です!」と胸を張って自慢できることが、あまりありませんでした。自信を持てなかったのですが、自分じゃない何者かになれる、表現者になりたいと思い、それが一番強くいられる気がしていました。だからこそ、珠々が自分に自信がないということを知って、彼女の気持ちが手に取るように分かり、自分の過去のいろいろな感情を整理しながら、演技に落とし込んでいます。

――公式サイトのコメントに、珠々は「健治に少しずつ惹かれていく」とありますが、ドラマの中で恋愛パートも描かれる可能性はありますか?

堀田:どういった恋愛になっていくのかは、私もまだ分からないのですが、対極な2人が人と人として惹かれ合っているのは間違いないと思います。珠々の方が仕掛けていく側で、ボールを投げる立場なので、彼女の方がちょっと好意を持っている印象がありますね。健治が珠々のことをどのように見ているかは分からないのですが、ペア感があると言いますか、2人のシーンはすごくほっこりします。珠々は健治の理解者でありながらも、知らず知らずのうちに、健治に救われているんです。太陽と月のようにお互いが公転し合いながら、つかず離れず、ずっと目の届く範囲にお互いがいるという関係です。健治とのシーンでは、演じる時に生まれる感情を大切にしたいので、あまり作り込まずに臨むようにしています。

磯村勇斗は気配りの“座長”

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(撮影/松川李香)

――健治を演じる磯村さんとは、どんなお話をしたりしますか?

堀田:いろんなお話をしています。お芝居のお話もすごく丁寧に聞いてくださいますし、座長として周りがやりやすいように気を配ってくださっているなと感じます。あとは、家で何をして過ごすかとか、お酒を飲むなら何を作っておつまみにするかとか、好きなお菓子の話とか、他愛もない楽しいお喋りもします(笑)。

――稲垣さんとは、まだあまり共演シーンがないとのことですが、稲垣さんの印象は?

堀田:これまでシーンでご一緒したのは2回ほどで、あとは番宣でお会いしました。やっぱり本当に“スター”という印象です。稲垣さんがいらっしゃると、一気に注目が集まって、つい目で追いたくなるような存在なんです。ご自身の世界観に、周りをぐっと引き込んでくださるような魅力があります。次にご一緒するシーンがあったら、もっといろいろなお話をしてみたいです。

堀田真由(ほった まゆ)

1998年4月2日生まれ。滋賀県出身。アミューズ所属。2017年度後期のNHK連続テレビ小説『わろてんか』で注目を集め、その後、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(2019年)、『恋はつづくよどこまでも』(2020年)、『いとしのニーナ』(2020年)など、次々とドラマに出演。映画も『虹色デイズ』(2018年)、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』シリーズ(2019年・2021年)、『ライアー×ライアー』(2021年)、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(2021年)、『ハニーレモンソーダ』(2021年)、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(2023年)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(2024年)などの話題作に多数出演。主な主演作に、『たとえあなたを忘れても』(2023年)、『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』(2024年)、『バカ塗りの娘』(2023年)などがある。NHK連続テレビ小説には2020年度前期の『エール』にも出演し、2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では主人公・北条義時の正室・比奈を好演。2024年のドラマ『アンチヒーロー』、2025年の『御上先生』での演技も好評を博した。

Stylist:斉藤みく(Miku Saitou)

Hair & Make:中山友恵(Tomoe Nakayama)


関西テレビ『僕達はまだその星の校則を知らない』

放送日時:毎週月曜日よる10時~

出演:磯村勇斗、堀田真由、稲垣吾郎 ほか

脚本:大森美香

監督:山口健人、高橋名月、稲留武

プロデューサー:岡光寛子、白石裕菜

番組URL:https://www.ktv.jp/bokuhoshi/



ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)

海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。

X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP

※記事の内容はインタビュー時のものです。