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万博で野宿した男性 深夜1時に目撃した“異様な光景”に「いびきをかいて気持ち良さそうに…」

  • 2025.8.16
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

8月13日夜、大阪メトロ中央線が一時運転を見合わせた影響で、多くの来場者が大阪・関西万博会場から帰宅できないというトラブルが発生しました。

帰宅困難となり途方に暮れ、疲弊してしまった来場者が多くいた一方、SNSではラジオ体操や組体操をして過ごす来場者たちの様子が投稿がされ、「タオルニキ」「#オールナイト万博」と話題になりました。

当日夜の万博会場は、どのような状況だったのでしょうか?

深夜の万博で目撃した「カオスを楽しむ」人々

大阪・関西万博に50回以上訪れており(※2025年8月時点)、この日も来場して会場で夜を明かしたという万博ニキ(通称:パクニキ)さんに当日の様子について、お話を伺いました。

徐々に気持ちを切り替えて…

---日付をまたいだ前後で、来場者の様子に変化はありましたか?

最初のうちは「帰れないかも…」と戸惑う空気がありました。特に22時前後までは、「どうする?」「今日ここで泊まり?」という声があちこちで聞こえてきて、明らかに困惑している方も多かったと思います。

ですが、午前1時頃になると、徐々に「これはもう朝まで楽しむしかない」と、多くの方が気持ちを切り替え始めていくのが感じられました。

X(旧Twitter)でも「#オールナイト万博」なんてハッシュタグが登場しましたが、現地も、夜中でもいくつかのパビリオンが自主的に開いていたこともあり、「ミッドナイト万博を楽しもう」という雰囲気になっていきました。その象徴ともいえるのが、「タオルニキ」じゃないでしょうか?

---「タオルニキ」とは?

ライブカメラに向かってタオルを振り回しているお兄さんたちがいて、そのお兄さんたちがあのタオルを振り回すだけじゃなくてラジオ体操をし始めたりして。それがSNSでも「タオルニキ」として話題になっていたんです。

僕も現地で直接見かけたのですが、彼らは「カオスを楽しむ側」に徹していたように思いました。

---困難な状況でも楽しんでいた方もいたのですね。

もちろん、すべての来場者がそうではなく、小さな子ども連れや高齢の方など、体力的に厳しい状況に置かれた人も多く大変な夜だったと思います。ただ、少なくとも「これはこれでレアな機会」と捉えて前向きに過ごしている人もいたようです。

夜の万博は…シュールで貴重

普段の万博会場の開場時間は、基本的に9時から22時まで。22時以降の万博内の様子を体験した方は、そう多くありません。

---夜の万博はどのような雰囲気でしたか?

夜の万博は、まったく別の場所にいるみたいでした。昼間のような音やBGMもない、明かりもほとんどない、そんな中にパビリオンが並んでいて、大屋根リングの下ではみんなが寝ている。中にはいびきをかいて気持ちよく寝ている人もいらっしゃいました。

少しシュールでもあり、貴重な体験だったのかなと思います。

---夜の万博で、特に異質な光景だと感じたスポットはありましたか?

万博の真ん中に「静けさの森」という場所があって、そこは照明が一切なくて真っ暗なんです。ライブ配信しても何も映らないくらい。ですが、虫の鳴き声が響いて、月明かりが見える。“日本の田舎にいるみたい”な雰囲気で、本当に癒される場所でした。

---深夜でも人が集まっていたスポットはありましたか?

オランダ館の前にあるミッフィー像で記念写真を撮る人が多くて、夜中の2~3時でもかなりの行列でした。

僕は並ばなかったのですが、3時に見に行ったらクローズしていました。普段は予約しないと写真を撮れないのですが、オランダ館の粋な計らいで当時は開館してくれていたので、予約せずに写真が撮れるレアな機会だったと思います。

観客には前向きな雰囲気があった

---今回のトラブルについては、どう感じましたか?

もちろん「起きないのが一番」ということが大前提です。ですが、起きてしまってからの万博側の対応はすごく丁寧だったと、僕個人は感じました。

観客側もトラブルを起こすことなく、むしろ「順応して楽しもう」という雰囲気で、前向きな一体感があったように思います。

---来場者の反応に変化はありましたか?

最初は「帰れない…」って不安そうだった子どもたちも、だんだんと笑顔になっていて、「楽しかったね」という声があちこちで聞こえてきました。大変な状況だったと思いますが、最後は「レアな体験ができてよかった」と前向きな空気で包まれていたように感じられました。

SNSでも大きな反響が

こちらの様子は、万博のライブカメラでも確認することができ、SNSにも応援の声が寄せられていました。また、実際に現地から「レポート」を投稿する方も。

  • 警備員さんに「お疲れ様です!」と手を振ったら手を振り返してくれて泣きそうになった。
  • 午前2時にミッフィーとの撮影に長蛇の列。大人気だった。
  • 一部パビリオンを開けてくれて助かった。
  • 周囲のお客さんのポジティブな会話が支えになった。

異例の一夜に見えたものとは

今回の電車トラブルは多くの来場者にとって予期せぬ出来事でしたが、万博ニキさんによると、困難な状況でも前向きに楽しもうとする人々も少なくなかったとのこと。

「タオルニキ」のように普段とは異なる空間を楽しんだり、真っ暗な「静けさの森」で癒やしを見つけたり、深夜のミッフィー像で記念写真を撮ったりと、通常では体験できない「万博の別の顔」を満喫する来場者も多くいたようです。

ですがもちろん、小さな子ども連れや高齢の方など、体力的に厳しい状況に置かれた人も多く、大変な夜だったことは確かです。会場とその周辺で36人が緊急搬送されるなどの事態も発生しました。

運転見合わせの情報提供が遅れたことなど、今後見直すべき課題も浮き彫りになっています。来場者の安全、安心の確保のための取り組みが期待されます。



取材協力:万博ニキ(パクニキ)さん
大阪市内在住の20代後半男性。大阪・関西万博に50回以上訪れ(2025年8月時点)、全パビリオンを制覇済みの万博マニア。週に複数回「インパク」(万博に入場すること)することが多く、万博の魅力を発信している。
Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@enjoy_expo_osaka_bro/videos