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土曜日の夕方17時、保護者「『殺す、バカ』って言われたの」30分間続いた叱責に小学校教諭がア然…

  • 2025.8.12
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。元小学校教員のみずいろ文具です。

今回は、まだ学級連絡網に担任の携帯番号が載っていた時代に経験した、忘れられない出来事をご紹介します。

休日の夕方、突然の電話

今から10年ほど前のことです。土曜日の夕方17時、家でゆっくり過ごしていたとき、突然携帯電話が鳴りました。見覚えのない番号でしたが、出てみると、担任しているクラスの児童・A太さんの保護者でした。

電話に出ると、開口一番こう切り出されました。

「うちの子、さっき公園で同じクラスのB夫から『殺す、バカ』って言われたの!

驚きながらも話を聞くと、休日に近所の公園で遊んでいたところ、同じクラスの児童と口論になり、暴言を受けたとのこと。お子さんが悲しい気持ちになったことは容易に想像できました。

30分間続いた叱責

しかし、その後の会話は思わぬ方向へ進みます。

A太さんの保護者から「その子はどんな子なの?担任としてどういう教育をしてるの?信じられない」と、次々と質問が飛んできます。私は詳しい状況が分からないまま、30分ほど一方的に責められました。

極めつきは、「いますぐ家まで来て話を聞け」という要求。

私は困惑しながら、「お気持ちは分かりました。ですが、休日のため今すぐに家庭訪問をするのは難しいです。週明けに、改めて子どもたち双方から事情を聞いたうえで指導し、結果をお話しします」と約束し、その場は電話を切りました。

週明けの対応と保護者の反応

週が明け、A太さんとB夫さんに事情を確認しました。暴言を吐いたとされるB夫さんは、仲間に入れてほしかったけれどうまく言えずに強い言葉を使ってしまったとのことでした。話し合いの末、子どもたちは落ち着きを取り戻し、最後は笑顔で仲直りすることができました。

放課後にA太さんの保護者に報告の電話をしました。

しかし、最後まで納得されない様子で、「謝ったといっても、そんな暴言を吐く子は信用できない。次こんなことがあったら担任のお前の監督不行き届きだからな」とご立腹。

たとえ休日のトラブルであっても、担任の責任であり、担任が対応すべきとお考えのようでした。

学校の責任と家庭の役割

当時はまだ、「先生=何でも対応する人」という意識が現在より強く残っていた時代でした。学級連絡網に携帯番号を載せるのも当たり前で、家庭からの連絡は昼夜、休日を問わず届きました。

けれども、学校外で起きたことは、本来は学校の責任範囲ではありません。もちろん、子ども同士の関係づくりは大切ですが、休日も含めて全てを担任に委ねるのは、教員の負担が大きくなりすぎます。それは結果として、平日の教育活動にも影響を及ぼしかねません。

みんなで育てるという視点を

我が子が傷つけば、親として感情的になるのは当然のことです。私も、悲しんでいる子の姿を想像すれば胸が痛みます。

それでも、地域や家庭、学校がそれぞれの立場でできることを持ち寄り、子どもを「みんなで育てる」という意識が必要だと感じます。

学校が全てを引き受けるのではなく、保護者同士で話し合う、地域で見守るなど、大人同士の協力があってこそ、子どもは安心して成長できるのではないでしょうか。

あの電話から10年。連絡網を配付する習慣は全国でもほぼなくなりつつあります。しかし、「先生がなんでも対応すべき」という考え方は、形を変えて今も世の中に残っているのではないでしょうか。

子どもたちのために、私たち大人がどう関わり合えるのか。あの日の出来事は、今も私に問いかけ続けています。



ライター:みずいろ文具
関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。