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「どんどん有名になる」“問題を抱えた生徒役”を演じた若手俳優、“大作映画の重要人物”としても注目【月10】

  • 2025.8.28

カンテレ・フジテレビ系、月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(毎週月曜よる10時)。磯村勇斗が演じる、共学化で揺れる私立高校で奮闘する主人公の“スクールロイヤー”(学校弁護士)白鳥健治が、堀田真由が演じる国語教師の幸田珠々と徐々に惹かれ合っていく中、生徒たちが直面するさまざまな問題が描かれる話題のドラマだ。

本作は、磯村や堀田といったメインキャストのほか、高校生役の若手俳優たちの活躍にも注目が集まっている。今回は、その中から3人をピックアップして深掘りしてみたい。

『国宝』に出演している越山敬達

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月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第5話より(C)カンテレ・フジテレビ

2年桜組の内田圭人は、生き物が大好きで、生物科学部に所属している。そんな内田は、夏休みに健治の家で行うことになった天文部の合宿に、夢だった夜間採集をしたいという想いから参加した。

中学生の時にはナミテントウの模様の研究で賞を受賞したこともある内田を、メガネ姿で体現しているのは、メガヒット中の映画『国宝』で、横浜流星演じる大垣俊介の少年時代を好演している越山敬達。

『国宝』は、吉沢亮演じる主人公・立花喜久雄が少年時代(演、黒川想矢)に俊介と出会い、一緒に歌舞伎の稽古をしていく様子が、上映時間175分中、30分ほどあり、越山の演技もたっぷりと観られる。俊介は、上方歌舞伎の名門の当主で看板役者・花井半二郎(渡辺謙)の息子で、いわゆる“御曹司”。「俊ぼん」と呼ばれるこのキャラクターを、越山はとてもチャーミングに演じている。

幼少期にスカウトされ、CMを中心にキッズモデルとして活動を開始した越山は、モデル業と並行してアイドル活動も経験しながら、俳優として歩み始めた。TVドラマ『天狗の台所』シリーズ(2023~2024年)で頭角を現し始め、2024年に公開された『ぼくのお日さま』で映画初主演を果たす。本作は第77回カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」に出品され、越山も映画祭に参加。瑞々しい演技が、とても印象的だった。

『僕達はまだその星の校則を知らない』の視聴者はSNSに、「最初、メガネかけてて分からなかったけど、越山敬達さんアツい」「話し方や目線が素晴らしい」といったコメントを寄せており、注目度が高いことが分かる。

『宝島』に出演している栄莉弥

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月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第6話より(C)カンテレ・フジテレビ

3年葵組の有島ルカは、生徒会・議長団副議長を務めている。医学部進学を目指す彼は、父・一彦(池内万作)から過度な期待をかけられ、勉強のために2年生でバスケ部を退部した。父による“教育虐待”のストレスから、カンニングなどの行為に及んでしまった有島。

深刻な問題を抱える難役に挑んでいるのは、2025年9月19日公開予定の『宝島』で映画デビューする栄莉弥。カナダ人の父と日本人の母のもと、カナダ・トロントで生まれ、日本に移住した彼は、2021年に恋愛リアリティーショー『恋する♥週末ホームステイ』に出演して注目を集めた。同年、第36回メンズノンノモデルオーディションのグランプリを歴代最年少で受賞し、「MEN'S NON-NO」の専属モデルとして活動している。

『宝島』は、『僕達はまだその星の校則を知らない』よりも先に撮影されたため、栄莉弥にとっては俳優としての本格的なデビュー作となった。彼が演じるウタという役は、米国人の父と日本人の母を持つ孤児で、物語の鍵を握る謎に包まれたキャラクターだ。一足先に鑑賞したが、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太といった豪華キャストと共に、栄莉弥もかなりの熱演ぶりだと感じた。

『宝島』と『僕達はまだその星の校則を知らない』での演技の両方を観て、将来有望な若手俳優だと期待できる栄莉弥。彼は映画初出演作である『宝島』でも、作中における重要人物の1人という大役を担っている。SNSにも「力量がどんなものか期待してる」「どんどん有名になるね」などの声が上がっており、今後の活躍が楽しみだ。

『近畿地方のある場所について』に出演しているのせりん

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月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第6話より(C)カンテレ・フジテレビ

3年桜組の高瀬佑介は、合併前の男子校では天文部に所属していた。星が大好きで、小さい頃から地元のプラネタリウムに通っていた高瀬は、廃部になった天文部を復活させたいと願い出て、健治らの協力で復活が実現した。

天文部の夏合宿で、「一生分の青春を感じた」と喜びの表情を見せた高瀬を好演しているのは、2025年8月8日に公開された『近畿地方のある場所について』に印象的な役で出演しているのせりん。モデル活動から芸能界入りし、恋愛リアリティ番組『オオカミくんには騙されない』シリーズの『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』にレギュラー出演した。

2023年に『ケーキの切れない非行少年たち』で俳優デビュー後、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』に出演。その後も出演作を増やし、話題のホラー映画『近畿地方のある場所について』で菅野美穂や赤楚衛二らと共演したのせりん。

本作も鑑賞したが、この映画で彼が演じている大学生・目黒裕司は、『僕達はまだその星の校則を知らない』の高瀬とは全く異なる印象で、同じ人物が演じているとは気づかなかった。オーディションで白石晃士監督に選ばれた彼は、怪異に巻き込まれた重要キャラクターを見事に表現し、監督から演技力を絶賛されている。

SNSでも「想像してたより出番が多い上に結構なキーパーソン」「演技がめっちゃナチュラル」「この世界にしっかり溶け込めるって、将来有望株なんじゃないだろうか」という感想が見られた。期待の新星俳優であるのせりんは、愛称を芸名にしたのかなと思ったが、本名の能勢 倫をひらがな表記にしたとのこと。『近畿地方のある場所について』のエンドロールでもパッと目についたし、とても覚えやすい。本人も「キャッチ―でありがたい」と語っている。そんなのせりんは、次回作ではどのような役柄に挑戦するのか、期待が高まるばかりだ。

参考:菅田将暉似の超個性派モデル・のせりん、「何年ぶりかの恋になる」『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』インタビュー(ABEMA TIMES)


カンテレ制作・フジテレビ系列 月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』 毎週月曜よる10時

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP