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「確かに気になった」「普通は避ける」“不適切な脚本”に抗議勃発する異例事態…だけど「人生で一番好きなドラマ」大反響の絶賛作

  • 2025.8.28

ドラマの中には、予期せぬトラブルに見舞われながらも、それを力に変えて“名作”となった作品があります。今回は、そんな中から"トラブルを乗り越えた作品 Part2"を5本セレクトしました。本記事ではその第4弾として、ドラマ『ごめんね青春!』(TBSテレビ系)をご紹介します。実在の高校名をめぐる騒動で放送局が謝罪に追い込まれる一方で、明るい学園生活を描き、視聴者を惹きつけた“青春ドラマ”とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画「海辺の生と死」初日舞台あいさつ 満島ひかり(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ごめんね青春!』(TBSテレビ系)
  • 放送期間:2014年10月12日~12月21日
  • 出演: 錦戸亮(原平助 役)

舞台は静岡県三島市。仏教系の男子校・東高と、カトリック系の女子校・三女は、長年にわたり犬猿の仲でした。その理由は、14年前に起きた礼拝堂の火事。実はその火事の背後には、当時東高の生徒だった原平助(錦戸亮)が放ったロケット花火が関わっており、彼の人生はそこから狂い始めます。やがて教師となった平助は、母校にとどまったまま過去の罪と向き合えずにいました。

少子化と経営難で東高と三女の合併話が浮上し、試験的に半年間の共学クラスが設けられることに。担任を務める平助は、三女の教師・蜂矢りさ(満島ひかり)と協力しながら、生徒たちと共に合同文化祭の準備に取り組みます。

しかしその過程で、14年前に失踪した親友・蔦谷サトシ(永山絢斗)や、かつての恋人・蜂矢祐子(波瑠)の存在が再び平助の前に立ちはだかり、ついに火事の真相と向き合うことになります――。

“青春と愛情”を軽やかに描いた名作

ドラマ『ごめんね青春!』は、宮藤官九郎さんが脚本を手がけた完全オリジナル作品です。何年も前から“学園もの”を描きたいと温めてきた企画で、テーマは“青春”と“愛情”。いじめや不登校など暗い題材を扱わず、理想郷のような明るく楽しい学園生活をユーモアを交えて描いています。主題歌は関ジャニ∞(現:SUPER EIGHT)の『言ったじゃないか』

キャストには、主人公・原平助を錦戸亮さんが演じ、初の日曜劇場主演を飾りました。ヒロインで女子校教師の蜂矢りさには満島ひかりさん。

さらに、永山絢斗さん、波瑠さん、重岡大毅さん、黒島結菜さん、森川葵さん、トリンドル玲奈さんら、当時の若手俳優が勢ぞろい。

ベテラン勢として斉藤由貴さん、森下愛子さん、坂井真紀さん、生瀬勝久さん、風間杜夫さん、平田満さんらが脇を固め、幅広い世代が楽しめるキャスティングとなっています。

芸能人御用達の高校が“名誉を傷つけられた”とTV局に抗議

ドラマ『ごめんね青春!』では、2014年10月26日に放送された第3話の一場面が思わぬ波紋を呼びました。主人公の義理の姉が、生徒から勉強を教えてほしいと頼まれるシーンで「それは無理。あたし、堀越だから」と口にしたのです。このシーンは、堀越高校の生徒が学力的に劣っているかのように受け取られかねない台詞でした。

芸能人の出身校として知られる堀越高校は、この表現に強く反発。校長は取材に答え、TBSに正式に抗議しました。これを受けたTBS側は公式サイトで謝罪。問題の台詞はその後の配信版から削除されました。

一方で、この件については識者の間でも意見が分かれました。宮藤官九郎さんの作風は、実在の固有名詞を会話に混ぜ、ユーモアや皮肉を漂わせるスタイル。今回もその一環と理解する声がある一方で、「もっと慎重になるべきだった」と指摘する声もありました。いずれにしても、TBSと学校側は「解決済み」との立場を示し、騒動は早期に収束しました。

しかし、問題となった「堀越だから…」という台詞には、SNSでもさまざまな反応がありました。視聴者の中には「確かに気になった」と首をかしげる人や、「もっと気の利いた事を言えば良いのに」と脚本への不満を漏らす声も。さらに「実名出すのはよくない」「普通は避けると思う」と、作品のユーモアと現実の線引きに疑問を投げかける意見も目立ちました。

一方で、「いいじゃん、それくらい」と受け流す人もいれば、「これくらいのユーモア寛容になれないの」と学校側の抗議に首をかしげる人も。「謝ってるからもういいんじゃない?」と早期の解決を願う声も寄せられました。

「人生で一番好きなドラマ」と語る人も多い本作は、このように賛否が交錯しながらも、ドラマ全体の面白さや群像劇の魅力は失われることはなく、“トラブルを乗り越えた作品”として視聴者の記憶に残る一作となりました。


※記事は執筆時点の情報です