1. トップ
  2. 「一歩間違えば国際問題…」誤解を招く表現に“テレビ局が謝罪する”異例事態…だけど「面白すぎて震える」称賛殺到の傑作ドラマ

「一歩間違えば国際問題…」誤解を招く表現に“テレビ局が謝罪する”異例事態…だけど「面白すぎて震える」称賛殺到の傑作ドラマ

  • 2025.8.30

ドラマの中には、予期せぬトラブルに見舞われながらも、それを力に変えて“名作”となった作品があります。今回は、そんな中から"トラブルを乗り越えた作品 Part2"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『外交官・黒田康作』(フジテレビ系)をご紹介します。外交官と女刑事が国境を越えて挑むサスペンスが、“トラブル”を抱えながらも支持を集めた理由とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

undefined
映画の公開記念舞台あいさつに出席した柴咲コウ(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『外交官・黒田康作』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2011年1月13日~3月17日
  • 出演: 織田裕二(黒田康作 役)

外交官・黒田康作(織田裕二)は、外務副大臣・観上祥子(草刈民代)が出席するWTO農業交渉会議の警護のため、サンフランシスコを訪れます。現地で情報屋のジョン(イ・ビョンホン)と接触し、さらに11年ぶりに元外交官の霜村毅(香川照之)と再会しますが、霜村は別れ際に「すまない」と謎めいた言葉を残します。

一方その頃、日本では女刑事の大垣利香子(柴咲コウ)が大学教授殺害事件の遺体を発見。容疑者として霜村の名前が浮上します。霜村の娘・瑠衣(夏帆)とともにサンフランシスコへ渡った利香子は、そこで黒田と合流。外交官と刑事という異色のコンビが、複雑に絡み合う事件の真相に迫ります――。

原作×映画×ドラマが描いた本格派サスペンス

ドラマ『外交官・黒田康作』は、作家・真保裕一さんによる『外交官・黒田康作シリーズ』を原作とした、フジテレビの連続ドラマです。2009年には『アマルフィ』が映画化され、織田裕二さんが主人公・黒田康作を演じたことで注目を集めました。その流れを受けて制作されたのが、2011年に放送されたドラマ版『外交官・黒田康作』です。小説・映画・ドラマが連動した作品として、多方面で大きな話題を呼びました。

ドラマ版の脚本は、古家和尚さんと池上純哉さんが手がけています。映画では描き切れなかった黒田の過去に光を当て、国境を越えた事件の数々に立ち向かう姿を通して、外交の裏側に潜む闇や葛藤を浮き彫りにしました。単なるスピンオフにはとどまらない、骨太な物語に仕上がっています。

主演の織田裕二さんが演じる黒田は、邦人を守るという強い信念を胸に、サンフランシスコ、メキシコ、日本を駆け巡ります。

新たな相棒となる地図オタクの女刑事・大垣利香子には柴咲コウさんを起用。元外交官の霜村毅を香川照之さん、その娘・瑠衣を夏帆さん、外務省職員の西園寺守を田中圭さんが演じるなど、豪華な顔ぶれが集まりました。

さらに特別出演として韓国の俳優イ・ビョンホンさんが情報提供者のジョン役で登場し、日本の連続ドラマ初出演を果たしたことも大きな話題となりました。

抗議が生んだ議論と、語り継がれる“作品愛”

2011年2月に放送されたフジテレビのドラマ『外交官・黒田康作』は、第1話から第3話にかけての表現が「誤ったイメージを提示した」として、メキシコ大使館から抗議を受ける事態に発展しました。これを受け、フジテレビは公式サイトに「フィクションである一連のエピソードの中で誤解を与える表現があった」と謝罪文を掲載。さらに第4話の放送中にも、テロップによる謝罪を行うなど、異例の対応をとりました。

視聴者の反応はさまざまでした。「小説やリアルでは想定内の描写だったと思う」と受け止める人もいれば、「一歩間違えば国際問題…」と警鐘を鳴らす人も。

メキシコからの抗議によって議論を呼んだ一方で、作品そのものの評価は揺らぐことなく、多くの視聴者から支持を集めました。「もっとシリーズ化してほしかった」と、続編を望むファンは今も少なくありません。「大好きなドラマ。織田裕二がかっこいい」「怪事件をすかっと解決する作品で好きだった」といったコメントからも、ドラマの魅力が伝わってきます。

面白すぎて震える」といった絶賛の声も多く寄せられており、本作の完成度の高さを物語っています。

メキシコ大使館から抗議を受けた場面もありましたが、作品を支持する声はいまも根強く残っており、まさに“トラブルを乗り越えた名作”と呼ぶにふさわしい一作です。


※記事は執筆時点の情報です