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「怒りを覚えるレベル」「ありえない」“一部の演出”が思わぬ騒動になった逸作ドラマ…だけど「今後出会えない作品」大絶賛の一作

  • 2025.8.31

ドラマの中には、予期せぬトラブルに見舞われながらも、それを力に変えて“名作”となった作品があります。今回は、そんな中から"トラブルを乗り越えた作品 Part2"を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)をご紹介します。高視聴率を記録していた中、ある出来事をきっかけに、思わぬ波紋が広がった『ドクターX』。そのとき、制作陣がとった行動とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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テレビ朝日木曜ドラマ『Doctor-X』制作会見に出席した米倉涼子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)
  • 放送期間:2012年10月18日~12月13日
  • 出演: 米倉涼子(大門未知子 役)

ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』第1シーズンの舞台は、東京都にある名門私立医科大学の分院「帝都医科大学付属第三病院」です。表向きは最先端の医療機関でありながら、内情は金と権力にまみれ、医局制度もすでに崩壊寸前。そんな混乱の中、特例契約と高額報酬を条件に、フリーランス外科医の大門未知子(米倉涼子)が病院へやってきます。

未知子は組織のしがらみに一切縛られず、教授からの指示や依頼も「致しません」と突っぱね、ただ患者の命を最優先に動きます。院長・毒島隆之介(伊東四朗)をはじめ、権力に固執する医師たちと激しく対立しますが、天才的な手術の腕で難しい症例を次々と成功させ、周囲を驚かせます。

その実力は、同僚の原守(鈴木浩介)や加地秀樹(勝村政信)、新米外科医の森本光(田中圭)の目にも明らかで、彼らの医師としての在り方に少しずつ変化をもたらしていきます。
権威や派閥よりも「患者を救う」という責任とプロ意識を貫く未知子の姿が、病院に新たな風を吹き込むのでした――。

“高視聴率を連発”「失敗しない女医」12年間の軌跡

ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』は、2012年にテレビ朝日系でスタートした大ヒット医療ドラマシリーズです。主人公は米倉涼子さん演じるフリーランスの外科医・大門未知子。組織や権力には決して媚びず、「私、失敗しないので」という決めゼリフとともに、天才的な手術の腕で患者の命を救います。

1話完結型の勧善懲悪ストーリーと、未知子のブレない強さが視聴者の心をつかみ、シリーズは高視聴率を記録。その人気は2012年から2021年までの7シーズンにわたり、『相棒』シリーズと並んでテレビ朝日を代表する長寿シリーズとなりました。

さらに、勝村政信さん演じる加地秀樹を主人公にしたスピンオフドラマ『ドクターY~外科医・加地秀樹~』も2016年からスタート。当初は配信ドラマとして制作されましたが、2019年以降は地上波のプライム帯でスペシャルとして放送されるまでに――。

通常シリーズの合間に放送されたスペシャル版も好評で人気を集めました。

2021年には一ノ瀬颯が演じる若手研修医を描いたスピンオフドラマ『ドクターエッグス~研修医・蟻原涼平~』も登場し、未来の“ドクターX”を目指す若者たちの成長を描いた青春群像劇として話題を呼びました。

そして2024年、シリーズの集大成となる『劇場版ドクターX FINAL』が公開され、大門未知子のルーツが明らかに。

第7シリーズまで続いた物語はここで完結を迎えましたが、12年にわたって描かれてきた“失敗しない女医”の物語は、今なお多くの人々に愛され続けています。

「これは酷い」何気ない演出が招いた思わぬ事態

シリーズの人気が続く一方で、『ドクターX』には思わぬトラブルもありました。問題となったのは、2016年に放送された第4シーズン第3話のワンシーン。松下由樹さん演じる入院患者が食事中、首にかけていたナプキンの布が、なんとポルトガルの国旗だったのです。

劇中で特に説明のないまま使用されたこともあり、放送翌日、日本在住のポルトガル人が大使館に連絡。大使館はテレビ朝日に対し、ポルトガル大使名で「国旗の不適切な使用」について注意喚起の書簡を送付しました。

制作側は意図的な演出ではなかったとしています。これを受け、SNSでは「苦情は当然」「怒りを覚えるレベル」「ありえない」といった厳しい意見が相次ぎ、「なぜ撮影現場で誰も止めなかったの?」と現場のチェック体制に疑問を投げかける声も。

一方で、ポルトガル大使館の落ち着いた対応には、「ポルトガルが冷静な反応でよかった」と安堵の声が上がりました。

テレビ朝日側も対応は迅速でした。当該シーンをすぐに修正し、再放送や配信では問題の国旗が映らないように処理。SNSでも「素早い修正で炎上を回避できたのは不幸中の幸い」と一定の評価を受けました。

制作陣の迅速な判断と真摯な対応により、この一件は大きなトラブルへと発展せずに収束。作品自体には「最高傑作」「今後出会えない作品」など絶賛の声が相次ぎ、今なお多くのファンに愛され続けています。


※記事は執筆時点の情報です