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「納得できない」“ベストセラー小説実写化”に厳しい声あがるも…「配役が完璧」豪華俳優陣が“群を抜く快演”で魅せた名映画

  • 2025.8.15

多くの読者を魅了し、物語の世界に引き込んできた“ベストセラー小説”。その完成された世界観や登場人物たちが、俳優たちの演技や美しい映像によってさらに多くの方を魅了するのが実写化作品の魅力です。今回は、そんな“ベストセラーの実写化”5作品をセレクトしました。

本記事では第1弾として、2005年公開の映画『姑獲鳥の夏』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“ベストセラーの実写化”映画『姑獲鳥の夏』

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映画『姑獲鳥の夏』試写会に出席した堤真一(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『姑獲鳥の夏』(日本ヘラルド映画)
  • 公開日:2005年7月16日

あらすじ

京極夏彦氏の同名小説を原作に、監督・実相寺昭雄氏、脚本・猪爪慎一氏で実写映画化。

舞台は、昭和27年の東京。小説家の関口巽(永瀬正敏)は、妊娠20ヶ月を迎えた女性がいるという奇怪な噂を取材します。その女性・久遠寺医院の娘・久遠寺梗子(原田知世)の夫は、1年半前に密室から忽然と姿を消していました。

奇怪な噂の真相を探るため、関口は博識な友人、古本屋店主“京極堂”こと中禅寺秋彦(堤真一)に相談します。秋彦の勧めもあり、関口は他人の記憶が見えるという特殊能力を持つ私立探偵・榎木津礼二郎(阿部寛)を訪ねました。するとそこへ、梗子の姉・涼子(原田知世)が夫の捜索を依頼に来たことで、関口は事件に深く関わっていきます。

久遠寺家に降りかかる災難や怪奇現象の数々に、徐々に混乱していく関口。追い詰められた関口は、“憑物落とし”というもう一つの顔を持つ京極堂に助けを求めるのでした―。

『姑獲鳥の夏』の見どころ※ネタバレあり

『姑獲鳥の夏』は京極夏彦氏のデビュー作品であり、代表作『百鬼夜行』シリーズの第一弾。シリーズ累計発行部数1000万部を突破し、多くの方から支持されている作品です。そんなベストセラーの実写化である映画『姑獲鳥の夏』ですが、原作は複雑で膨大な情報量があるため、物語が駆け足で説明不足に感じられます。原作未読の観客には物語が難解に映りがちで、原作ファンからも「納得できない」「初見の人には優しくは無いかなあ」というようなコメントが見られました。

一方で、実写化ならではの豪華俳優陣による演技合戦が見どころです。憑き物落としを行う古本屋“京極堂”を演じた堤真一さんの知性とカリスマ性、破天荒な探偵・榎木津礼二郎を演じた阿部寛さんの圧倒的な存在感、小説家・関口巽を演じた永瀬正敏さんの繊細な演技は、どのシーンも目が離せません。「キャストの皆様も素晴らしい演技をされていて、大好きな作品です」といったようなコメントが寄せられていました。また、昭和20年代の退廃的で怪しげな雰囲気を再現した映像美も要チェックです。

主演俳優が並々ならぬ覚悟で挑んだ傑作

京極夏彦氏のベストセラー小説を実写化した映画『姑獲鳥の夏』。原作ファンが多いことは容易に想像できるため、制作関係者のプレッシャーも非常に大きかったことでしょう。特に、主演を務めた堤真一さんは出演に対する思いを製作発表会見にて次のように話しました

ファンからバッシングされる覚悟もできている。現場で作り上げていく中で、原作とは違う京極堂になるかもしれないが、それはそれで楽しんでほしい出典:『京極堂がスクリーンに!「姑獲鳥の夏」製作発表』映画.com 2004年8月10日

結果、原作ファンを中心に賛否両論が集まったものの、堤さんをはじめとしたキャスト陣の演技は多くの方から絶賛されました。出演に対する並々ならぬ覚悟が生んだ、賜物と言えるでしょう。

まだ映画『姑獲鳥の夏』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“すべての謎が一本の線につながる快感”をぜひ体感してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です