1. トップ
  2. 「もう会えなくなるかもしれないから撮ったんよ」101歳の祖母が夫の兄弟たちと写真を撮った“ワケ”に…「なんという時代」

「もう会えなくなるかもしれないから撮ったんよ」101歳の祖母が夫の兄弟たちと写真を撮った“ワケ”に…「なんという時代」

  • 2025.8.22
undefined
出典:たば やん(@obaatyanntoissy)さん

読者がホッと安心できる優しい作品を発信している、イラストレーター兼漫画家のたば やん (たば やんの呟き )さん。X(旧Twitter)にて、自身の祖母を綴ったエッセイ漫画『おばあちゃんと一緒』を連載中の彼女が聞いたのは、101歳の祖母の戦時中の記憶でした。

その投稿がこちら!

祖母と一緒にアルバムの写真を見ていたたば やんさん。

祖父の兄弟と一緒に写る祖母の写真を見ていると、祖母が「一緒に写真を撮った理由」について語りだしました。そこには、その時代ならではの「悲しい理由」があったのです。

今回は、そんなたば やんさんに、お祖母様から聞いた戦時中のエピソードについて詳しくお話を伺いました。

「もう会えんくなるかもしれんから」

たば やんさんがSNSで紹介したのは、101歳の祖母とアルバムの写真を見ていた時の出来事でした。

アルバムには、祖父の兄弟と写る祖母の姿がありました。すると、祖母は「もう会えんく(会えなく)なるかもしれんから、一緒にとったん(の)」とつぶやきます。

その後、「これも」「この写真も」とアルバムのページをめくる祖母。そんな祖母の思いに、「なんという時代だったのだよ」と、たば やんさんは感じたのでした。

当時は、戦争に行ったら無事に帰って来られるかもわからない時代。お祖母様は、会えるのは最後かもしれないと思って撮影していたのでしょう。お祖母様の一言からは、さまざまなことを考えさせられますね。

祖母のお兄さんの「勇気ある決断」

---戦時中のことをお祖母様から直接聞く機会があったとのことですが、特に印象に残っている話や、今でも忘れられない言葉などがあれば、ぜひ教えていただけますか?

祖母から聞いた、お兄さんの話が忘れられません。

普段はぼんやりとしていて、優柔不断なところがあったお兄さん。しかし、戦争の最前線に駆り出された時、彼は一瞬で決断します。それは「逃げること」でした。

隊長として、このまま他の部隊のように突撃すれば全員が死んでしまうと悟ったお兄さんは、部下たちに「逃げろ!」と命じました。結果、生き残ったのは彼らの隊だけだったそうです。

---勇気のある決断でしたね。当時はなかなかできることではなかったのではないでしょうか。

当時は「非国民」と罵られてもおかしくない行動です。しかし何十年もの時を経て、かつての部下たちが訪ねてきました。「あなたのおかげで、私たちは今も生きていられます」と感謝を伝えられた祖母たちは、初めてその事実を知り、兄を見直したそうです。

時代全体がひとつの思想に染まっていた中で、自分の心を信じ、冷静に最善の選択をしたお兄さんの決断力は、本当にすごいことだと思います。この話を聞いて、表現の自由がある今だからこそ、自分も心に嘘をつかずに生きていこうと改めて思いました。

祖母は、この他にも戦争の話をしてくれましたが、公にすることには戸惑いがあったようです。「余計なことを言うと取り締まられる」という当時の意識が、今も心に残っていたからでしょう。

---貴重なお話を、ありがとうございます。

戦時中を生きた人たちの思い

昔のアルバムをめくりながら、戦時中の思い出を語った101歳の祖母。今では家族や親戚と写真を撮るのは当たり前のことですが、当時は「これが最後かもしれない」という切実な思いがあったといいます。

お祖母様が語る戦時中のエピソードからは、あの時代を生きた人たちの覚悟や願い伝わってきます。それは、現代を生きる私たちが決して忘れてはいけない大切なことなのかもしれませんね。


取材協力:たば やん(@obaatyanntoissy)
イラストレーター兼漫画家。X(旧Twitter)にて、自身の祖母を綴ったエッセイ漫画『おばあちゃんと一緒』連載中。読者がホッと安心できる優しい作品を発信していきたい。