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「え、嘘でしょ…」「どうしてこうなった?」“予想外の脚本”に疑問を呈す視聴者も…だけど「泣くぐらい好き」胸を打つ名ドラマ

  • 2025.8.9

ドラマや映画の中には、人生を見つめ直すきっかけをくれる作品があります。今回は、そんな中から"心に問いかけられる名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』(フジテレビ系)をご紹介します。鎌倉の路地裏に佇む小さな古書店で、人見知りの女性店主が解き明かす数々の謎と、“本がつなぐ絆”とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」制作会見の剛力彩芽(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2013年1月14日 - 2013年3月25日
  • 出演: 剛力彩芽(篠川栞子 役)

鎌倉の静かな路地裏に、ひっそりと佇む小さな古書店・ビブリア古書堂。店を切り盛りするのは、若く美しい女性店主・篠川栞子( 剛力彩芽)です。普段は極度の人見知りながら、ひとたび本の話となると、まるで別人のように雄弁に語り出す栞子――。そんな彼女が、豊富な古書の知識と鋭い観察眼を駆使し、古書に秘められた謎や秘密を一つひとつ解き明かしていく、ヒューマン・ミステリードラマです。

累計310万部突破の原作が月9ドラマで実写化

本作は2013年、フジテレビの看板枠「月9」でドラマ化され、人気ライトノベルの実写化として大きな話題を呼びました。

原作は三上延さんによる同名シリーズで、2011年3月に第1巻『栞子さんと奇妙な客人たち』、同年10月に第2巻『栞子さんと謎めく日常』、翌2012年6月に第3巻『栞子さんと消えない絆』が刊行。3巻累計で310万部を突破する大ベストセラーとなり、文庫作品として初めて「本屋大賞」にノミネート。さらに、漫画版も連載され、幅広い層から支持を集めました。

脚本を手がけたのは、『鍵のかかった部屋』などで知られる相沢友子さんです。

主人公・篠川栞子役には、当時20歳の剛力彩芽さんが抜擢。2011年の月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』にオーディションで選ばれてから、わずか2年で月9主演女優の座を射止めました。

共演には、EXILEAKIRAさんが活字恐怖症の青年役で出演。普段のダイナミックなダンスのイメージとは異なる、繊細な演技で新たな魅力を見せています。さらに、高橋克実さん、安田成美さん、須永慶さん、高樹澪さんといった実力派俳優が脇を固め、物語に厚みを加えました。

ベストセラー原作に実績ある脚本家、豪華キャストが揃った本作は、放送前から大きな期待を背負っていた作品です。

原作を改変した脚本に戸惑う声

話題を集めた本作ですが、原作ファンからは疑問の声も。特に意見があがったのは、キャラクターのビジュアルです。原作の篠川栞子は黒髪ロングのお嬢様風ですが、主演の剛力彩芽さんはショートヘアのまま役に挑み、SNSでは「髪型だけでもロングにしてほしかった」「せめてウィッグをかぶって欲しかった」というコメントが見られました。

さらに、原作設定の改変についても、原作では栞子が大輔より年上ですが、ドラマでは逆の設定に変更。また、原作には栞子と大輔のほのかな恋の予感があるのに対し、ドラマではこの恋愛要素が薄められ、ミステリー要素が強調されています。視聴者からは「え、嘘でしょ…」「どうしてこうなった?」といった声も聞かれました。

原作ファンの期待が高かっただけに、こうした改変やキャラクターイメージの違いが失望を生んだのかもしれません。一方で、「鎌倉の風景や古書堂の雰囲気が良かった「今観ても泣くぐらい好き」「剛力彩芽さんの専門的な長台詞にも改めて感心した」と肯定的な意見もありました。

原作ファンと視聴者の間で賛否が大きく分かれる作品となりましたが、古書に秘められた人間模様を描いた本作は、「本との出会いが人生を変える瞬間」を鮮やかに描き出し、人生を見つめ直すきっかけを与えてくれる名作です。


※記事は執筆時点の情報です