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「万博、あと半年延長して」60年前、実際に延長事例アリも…米国が辿った“トラウマ級の末路”

  • 2025.7.14
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(C)SANKEI

たくさんの方々が訪れている「大阪・関西万博」。開幕から78日目の6月29日には、ついに来場者数1,000万人を達成したのだそう。これから夏休みシーズンになるため、よりいっそうその数は増えていくのかもしれません。

魅力的なイベントだからこそ、大阪・関西万博の期間を延長してほしいという趣旨の意見も少なくないようです。その気持ちはわかるものの…実は、それをすると非常にまずいことになってしまう可能性があるそうです。

はたして、過去に万博を延長した結果、どのような恐ろしい結末を迎えてしまったのでしょうか…?詳しくご紹介します。

万博を延長してほしいという意見は多い

大阪・関西万博は2025年10月13日に閉幕します。しかし、できれば延長してほしいと思っている方はとても多いようです。

  • 万博また行きたいなぁ〜。
  • あと半年くらい延長してほしい…。
  • お願いします、万博延長してください…!
  • 2025年末まで延長されないかなぁ。
  • 閉幕早すぎるよね…延長してほしいです。

特に、目的のパビリオンに行けていない方からしてみると、その思いはなおさら強い様子。

  • 行きたいパビリオン人気すぎる…。全部回りたいから期間延長してほしい。
  • 人気のパビリオンだけでも延長されないかな?

また、今年の夏は暑すぎるため、できれば冬まで延長してほしいという内容のコメントもありました。

  • 夏は暑くて大変だし、冬になるまで延長してくれないかな。
  • 今は暑すぎるよね…。冬まで延長してほしい。

延長するのは難しい…その理由とは?

しかしながら、大阪・関西万博の延長が実現することはまずないでしょう。それは、「国際博覧会条約」が関係しています。

大阪・関西万博は「登録博覧会」として開催されていますが、「第二章 国際博覧会の開催に関する一般的な条件」の「第三条 登録博覧会」によると、「開催期間が6週間以上6ヶ月以内のものであること」とされています。また、開会日、閉会日は国際事務局の同意を得なければ変更できないそう。

そして、「第5条に規定する場合を除くほか、登録又は認定に伴う権利を失う」とあります。大阪・関西万博を延長すると「登録博覧会」として認められなくなる可能性が非常に高いため、たとえ希望者が増えたとしても、実現することはまずないでしょう。

過去に承認が取り消された万博も

実は、かつて国際博覧会条約の基準に合わず、最終的に国際博覧会協会の承認が得られずに、未公認の博覧会になったことがあったそうです。

それは、1964年4月22日~1965年10月17日まで開催された「ニューヨーク世界博覧会」。ニューヨーク市制300周年と国連本部のニューヨーク所在15周年を記念して行われたものの、会期が6ヶ月以上だった上、参加国から土地利用料をとるなど、国際博覧会条約の基準に合致しない点があったそう。

未公認の博覧会として開催された結果、ソ連やイギリス、フランスなどの大国が参加をやめる事態に。アメリカの大企業中心の博覧会となり、展示の内容や運営のあり方など、さまざまな観点で批判を呼んでしまったそうです。

万博に行きたい方はお早めに!

延長を希望する声が続出している大阪・関西万博ですが、1964年〜1965年に開催されたニューヨーク世界博覧会の顛末を踏まえると、実現する可能性はほとんどないでしょう。

そのため、目的のパビリオンがある方は、お早めに行くことをおすすめします。ただし、今年の夏は本当に暑いため、熱中症対策は必要不可欠!しっかり準備して、大阪・関西万博を満喫してくださいね。


出典:大阪・関西万博「大阪・関西万博来場者が1,000万人を超えました!」(https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250629-01/(最終閲覧日:2025-07-08)、外務省「国際博覧会(万博)
『国際博覧会条約』抜粋」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hakurankai/banpaku/jyouyaku.html)(最終閲覧日:2025-07-08)、乃村工藝社「ニューヨーク世界博覧会」(https://www.nomurakougei.co.jp/expo/exposition/detail?e_code=635)(最終閲覧日:2025-07-08)