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意外に間違える人が多いかも…?「2^0」→正しく計算できる?

  • 2025.7.30
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算数や数学では、さまざまな公式やルールを習いますが、その中でも0は特別な扱いを受けやすい数です。

他の数では成り立つ公式が0の場合は成り立たなかったり、0に関する公式だけが別に用意されていたり…。

さて、今回の問題の「0」は、どう扱えばよいのでしょうか。

問題

次の計算をしなさい。
2^0

※「2の0乗」を「2^0」と表しています。

解答

正解は、「1」です。

「0」と答えてしまった場合は、残念ですが、誤答になります。

「a^0(a≠0)の答えは1」なのです。

このまま覚えてもよいのですが、「どうしてそうなるのか」まで知りたい人は、次の「ポイント」をご覧ください。

ポイント

この問題のポイントは、「指数の仕組み」です。

まず、累乗と指数についての基本知識を確認しておきましょう。

累乗…同じ数を何個か掛け合わせる計算
指数…何個掛けるかを表す数

例えば、2を3個掛け合わせる「2×2×2」という式は、累乗で書くと「2^3」になります。この式では「^3」が指数を表します。

※指数は通常掛け合わせる数の右上に小さく書きますが、上付き文字を使えないテキストでは「^」を使って表すことがあります。この記事でも指数は「^」を使って表しています。

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指数を使うと、同じ数を何度も掛け合わせる式を短く書けますよ。

一方、指数は掛ける数と混同しやすいという注意点があります。

今回の問題でも、「2^0」を「2×0」だと考えると、答えが0になってしまいます。しかし、「2^0」と「2×0」はまったく別の式なのです。この問題での0は掛ける数ではなく、指数です。

そして、指数が0のときは、掛け合わせる数が0でなければ、答えは必ず1になります。

(a≠0のとき)a^0=1

しかし、掛け合わせる個数である指数が0という式のイメージはなかなかわきませんね。

「2^0は、2を一個も掛けていないということだから、答えは0」としてしまってはどうしていけないのでしょうか。

この謎を解くカギは、指数の変化によって答えがどのように変化するのかを考えていくところにあります。

まず次のように、「2^3」から指数を一つずつ減らしてみましょう。

2^3=2×2×2=8
2^2=2×2=4
2^1=2

この式で指数が1減ることは、「式から×2が1減ること」と同じです。つまり、指数が一つ減るごとに、2の累乗の答えは2分の1になっているのですね。

これを踏まえると、「2^0」の答えは、「2^1」の2分の1だと考えられます。つまり「2^0=2^1÷2」が成り立つわけです。「2^1÷2=2÷2=1」だから、「2^0」の答えは1なのです。

「2^1÷2」と「2^0」の答えは同じ。
2^1÷2=2÷2=1

よって、2^0=1

まとめ

指数が0のときの計算について確認できたでしょうか。

a^0(a≠0)の答えは1

指数は同じ数を何個掛け合わせているかを表す数です。

よって、指数が一つ減ることは、掛け合わせる個数が一つ減ることを意味します(2^1は2^2の2分の1になる)。このルールに従えば、「2^0」は「2^1」の2分の1になるので、答えは1です。

これをさらに一般化すれば、「(a≠0のとき)a^0はa^1のa分の1になるのだから、a^1÷a=a÷a=1が成り立つ」と言えるわけです。

0が出てくる式の答えはついつい0にしてしまいがちですが、指数が0であるときは当てはまりません。ぜひ、「a^0=1」の決まりを覚えておきましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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