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【正しく答えられる?】大人が意外と忘れがちな数学「x^2=x」→xの値は?

  • 2025.6.18
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中学3年生で学習する「2次方程式」の計算方法を覚えているでしょうか。

式の展開や因数分解、平方根など、2次方程式を解くには中学数学の知識が欠かせません。

今回はその中でも、よくある間違いが起きやすい2次方程式の問題に注目します。

「数学は得意だった」という方は、ぜひ挑戦してみてください!

問題

次の2次方程式を解きなさい。
x^2=x

※xの2乗のような累乗を「x^2」と表しています。

この問題でよくある誤答が「x=1」です。

解説

正しい答えは、「x=0とx=1」の2つです。

式の両辺を整理して、因数分解を用いて解いていきます。

(1) x^2=x
(2) x^2-x=0 【xを左辺に移項】
(3) x(x-1)=0 【左辺を因数分解】
(4) よって、x=0、x=1

この3~4行目の部分で「なぜこうなるのか?」と疑問に感じた方もいるかもしれません。

「符号を逆にして答える」ってどういうこと?

「因数分解の後、カッコ内の符号を反対にして答える」という解き方を覚えている人も多いかもしれません。

(例)
(x+3)(x-5)=0
という式なら、答えは x=-3, x=5
(カッコ内の符号が逆になっていますね)

では、なぜ符号(プラス・マイナス)を変えたものが答えなのでしょうか。

それは「(かけ算の形)=0」と式変形していることがポイントです。

かけて0になる数字とは?

(x+3)(x-5)=0 は、
「x+3とx-5をかけて0になる」という意味です。

かけて0になるのは、「どちらかが0のとき」しかありません。
つまり:

  • x+3=0 → x=-3
  • x-5=0 → x=5

このように、それぞれのカッコを「0」とおいて解くことで答えが求まるのです。

今回の問題でも同じ考え方

今回の式 x(x-1)=0 でも、考え方は同じです。

かけ算で0になっているので、

x=0
x-1=0 → x=1

よって、x=0とx=1 の2つが答えになります。

「x=1」だけではダメ?

「x=1」だけを答えてしまった方もいるかもしれません。

しかし、該当するすべての解を答えることが方程式の問題では求められます。

1つだけしか答えていない場合、テストでは誤答(部分点なし)になる可能性もあります。

よくある誤答を検証

「x=1」とだけ答えてしまう人の多くは、次のような間違った手順を踏んでいます。

(誤った解答例)
x^2=x
→ 両辺をxで割る
→ x=1

このどこが間違っているか、分かるでしょうか?

文字で割るときの注意点

ここでの間違いは、両辺をxで割ったことです。

具体的な数字(2や3など)で割る場合は問題ありませんが、文字で割るときには注意が必要です。

「xで割る」ということは、「xが0でない」という前提が必要になります。
なぜなら、0で割ることはできないからです。

今回の問題では、x=0 も立派な解の1つなので、この計算は不適切です。
(すでに答えが「x=0とx=1」であるということを記載しましたが、結果的に「0で割る」という定義されていない計算をしてしまったことになります)

まとめ

2次方程式を解くときは、「すべての解を求めること」「文字で割るときは0を除外できるかの確認が必要」という点が重要です。

今回は間違えやすい代表的な問題を紹介しましたが、2次方程式にはさまざまなパターンがあります。

忘れていた方は、この機会にぜひ復習してみてください!

※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法をもつ場合があります。本記事はあくまで一例としてご紹介しています。



文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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