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23年前、日本中が夢中になった“悩みを笑いに変える魔法” 日曜夜の定番となった“前代未聞の人気長寿番組”

  • 2025.6.16
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写真:photoAC(イメージ)

「23年前、お堅いイメージの『法律』をバラエティで楽しく魅せる、これまでになかった番組が生まれたのを覚えてる?」

2002年といえば、日韓ワールドカップが開催され日本は初の決勝トーナメント進出を果たし、アゴヒゲアザラシの「タマちゃん」が多摩川に現れたことが話題に。エンタメではスタジオジブリのアニメ映画『千と千尋の神隠し』が大ヒット、日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞、音楽では浜崎あゆみや宇多田ヒカルなど女性ソロアーティストの活躍が目立った年だった。

そんな2002年の4月7日、テレビ番組『行列のできる法律相談所』が日本テレビ系列で放送を開始した(2021年9月まで『行列のできる法律相談所』、その後、『行列のできる相談所』に番組名を変更)。

※以下、本記事における番組名の記載は放送開始当時の『行列のできる法律相談所』。

番組は日常生活に起こり得る法律問題をテーマにしたバラエティ。視聴者参加型で進行し、人気タレントと“史上最強の弁護士軍団”によるトークを通じて、エンタメ性と学びを両立させた。

この革新的な形式は、視聴者に大きなインパクトを与えた。法律という堅いテーマを日曜夜のお茶の間に届け、日本中が夢中になった“悩みを笑いに変える魔法”を持った番組の誕生だった。

番組のコンセプトと独自性

『行列のできる法律相談所』の最大の特徴は、法律問題をテーマにしたエンターテインメント番組でありながら、専門家が視聴者に向けて実際の法的アドバイスを行うという、従来の番組とは一線を画したスタイルであることだ。

例えば、借金や不倫、契約トラブルなど、一般的な日常生活に潜む法律問題がテーマとなることが多く、視聴者は「自分にも関係があるかもしれない」と感じながら番組を楽しめた。そうすることで、番組により親近感を抱き専門的な法律知識に対しても身近に感じるようになれた。

この参加型の形式は、単なる法律番組の枠を超え、視聴者が楽しみながら学べる場として定着していった。まさに、日曜夜9時の定番として愛された“前代未聞の人気番組”だったと言えるだろう。

出演者の魅力と化学反応

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(C)SANKEI (2007年撮影)/ 島田紳助氏

初代MCの島田紳助氏をはじめ、人気タレントたちの個性が番組の成功に大きく貢献した。島田氏の芸能界引退以降、MCを東野幸治やフットボールアワーの後藤輝基、井上芳雄、 スペシャル時には明石家さんまらが担当。彼らMCとレギュラー出演者、ゲストとの掛け合いが、笑いを提供すると同時に法律問題に視聴者に向き合うバランス感覚も絶妙だった。

また、法律の専門家として出演した北村晴男弁護士、住田裕子弁護士、丸山和也弁護士、橋下徹弁護士などこの番組をきっかけに広く名を知られることになった個性豊かな現役弁護士たちの解説やアドバイスが番組を引き立て、専門的な内容をわかりやすく解説する姿勢が好評を得た。

惜しまれながら約23年の歴史に幕

『行列のできる法律相談所』は、23年もの間高い人気を誇っていたが、2025年3月30日放送の『行列のできる相談所 最終回3時間生放送スペシャル』をもって番組は終了。多くの視聴者に惜しまれつつその約23年という長い歴史に幕を下ろした。

視聴者が自分の生活に役立つ知識を得られ、同時に楽しむことができる『行列のできる法律相談所』、早くも復活を待つ声もSNSなどでは今後の復活を期待する声も多い。


※この記事は執筆時点の情報です。