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34年前の夏、日本中が心震わせた“青春ラブソング” 前を向く勇気を与えてくれた「情熱のアンセム」

  • 2025.6.14

「34年前の夏、どんなラブソングがあなたの背中を押してくれていた?」

1991年といえば国内では株価や地価が急落し後に「失われた10年(現在は30年とも)」と言われるようになったバブル崩壊の年。社会にどこか“夢の終わり”を感じさせる閉塞した空気が漂い始めていた時代でもあった。

この年のエンタメシーンでは、ドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)が放送。音楽では前年に発売され年をまたいでの大ヒットとなったKAN『愛は勝つ』、槇原敬之『どんなときも。』、CHAGE and ASKA『SAY YES』などがチャートを賑わした。

そんな中、キラキラとしたバンドサウンドと真っ直ぐなメッセージで、若者たちの心をつかんだ楽曲があった。

それが、1991年7月3日に発売されたLINDBERG(リンドバーグ)の『BELIEVE IN LOVE』(作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久)をピックアップしたい。

明るくて、力強くて、どこまでもストレートなラブソング

『BELIEVE IN LOVE』は、LINDBERGの8枚目のシングル。

ダウンタウンやウッチャンナンチャンらが出演した、伝説の深夜バラエティ番組『夢で逢えたら』(フジテレビ系)のオープニング曲としても起用され、一気に広く知られる存在となった。

「真夜中に泣きながら〜」から始まる歌詞では、フレーズの至るところに恋への悩みや失恋をしながらも、それでも立ち上がって前を向こうとする心情がポップに、しかし情熱的に表現している。ボーカルの渡瀬マキの弾けるようなハイトーンボイスが、まっすぐで前向きなメロディと重なり、聴く者に勇気を与えてくれた。

なぜ『BELIEVE IN LOVE』は"青春の応援歌"となったのか?

平成初期の当時、J-POPシーンはまだ"バンドブーム"の真っ只中。そんな中、LINDBERGの音楽は、特に女性リスナーから絶大な支持を得ていた。

その理由のひとつが、「気取らず、でも熱い」世界観といえそうだ。『BELIEVE IN LOVE』は、失恋やすれ違いを描きつつも、「それでも信じたい」「もう一度笑いたい」と願う、前向きで等身大のラブソングだった。ネガティブな感情に浸るのではなく、「未来へ進む力」に変える。そんなポジティブなエネルギーが、多くの共感を呼んだのだ。

まさに日本中の心を震わせた“直球のラブメッセージ”であり、多くの人々に恋する勇気を与えた“情熱の名曲”だった。

LINDBERGが切り開いた"元気になれるバンドロック"のかたち

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(C)SANKEI 

1989年にデビューしたLINDBERGは、『今すぐKiss Me』『恋をしようよYeah!Yeah!』をはじめとした数々のヒット曲を世に放ち、ポップロックに爽快感とエモーションを融合させたスタイルで2002年に解散(後に活動再開)するまで駆け抜けた。

その中でも『BELIEVE IN LOVE』は、特に"恋に不器用だけど真剣"な気持ちに寄り添った一曲として、根強い人気を誇り、今でもSNSでは「元気を出したいときには聴く」「大好きな曲」「青春そのもの」などの投稿があり、時代を超えて今なお愛されるバンド、そして曲であることがわかります。

青春の記憶を蘇らせてくれるアンセム

『BELIEVE IN LOVE』を聴くと、恋に一生懸命だった頃の自分を思い出す人も多いのではないだろうか。

音楽に励まされていた青春の記憶が、今も鮮やかによみがえるのは、それがただの懐かしさではなく、心の奥にある感情の原点だからかもしれない。

『BELIEVE IN LOVE』——それは、恋するすべての人の背中をそっと押してくれる、青春のアンセムなのである。


※この記事は執筆時点の情報です。