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どうやって計算するか覚えてる?「1/9−1/10」→5秒でチャレンジ

  • 2025.6.28
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今回は、分数の引き算にチャレンジです。

実は、今回の問題には「ある特徴」があり、この特徴を利用すると大変簡単に答えを出せるのですが…。

さて、あなたは何秒で計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
1/9−1/10

※制限時間は5秒です。

引かれる数(1/9)と引く数(1/10)の分母に注目してみましょう。

解答

正解は、「1/90」です。

スタンダードに通分して計算しても、そこまで難しくはなかったかもしれません。

ただ、「分子はどちらも1で分母は9と10」という分数の特徴を使えば、より速く引き算できますよ。

詳しくは、次の「ポイント」をご覧ください。

ポイント

今回の問題のポイントは、「分子は1、分母の差が1の分数どうしの引き算であること」です。

分子はどちらも1で、引く数の分母10と引かれる数の分子9の差は1です。

このような形の引き算であれば、答えは「分子は1、分母は引かれる数と引く数の分母を掛けた数」になります。

  1/9−1/10
=1/(9×10)
=1/90

どうしてこうなるのでしょうか?

このような計算ができる理由を考えるために、まず通常の分数の引き算をしてみましょう。

分数の引き算では、通分した後に、分子どうしを引きます。

分母を同じ数にするときは、二つの分数の大きさを変えないようにします。分数では、分子と分母に同じ数を掛けても大きさは変わりませんから、1/9の分子と分母に10を、1/10の分子と分母に9を掛け、分母を共通の90にします。その後、分子どうしを引き算します。

  1/9−1/10
=(1×10)/(9×10)−(1×9)/(10×9)  ←通分する
=10/90−9/90
=(10−9)/90
=1/90

確かに答えは1/90になりましたね。

この計算過程では、通分をするときに二つの分数の分母どうしを掛けています。また、分数の大きさを変えないために、分子にもう一方の数の分母を掛けてもいます。

(1×10)/(9×10)−(1×9)/(10×9)

二つの分数の分子は1なので、もう一方の分数の分母がそのまま分子に現れる点に注目してください。

10/90−9/90

二つの分数の分母の差は1なので、これが分子の引き算の計算結果にも反映されます。

  10/90−9/90
=(10−9)/90
=1/90

この計算過程をシンプルにしたものが、「分子は1、分母は引かれる数と引く数の分母を掛けた数」という答えの出し方です。

より一般化すると、次のようになります。

<b−a=1のとき>
1/a−1/b
=(1×b)/(a×b)−(1×a)/(a×b)
=(b−a)/(a×b)  ←b−a=1
=1/(a×b)

まとめ

分子がともに1で、分母の数の差が1の分数どうしの引き算の答えは、次のようになります。

  1/a−1/b(b−a=1のとき)
=1/(a×b)

このとき、引く数の分母bの方が大きな数であることに注意してください。例えば、1/8−1/9はこの方法で計算できますが、1/9−1/8はこの計算方法が使える条件に当てはまりません(8−9=−1)。

このように分母の差が1の分数の引き算は、分数の形をした数列の合計の計算をするときにもよく使われます。興味がある人は、どのように利用されているのか調べてみると面白いですよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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