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おしゃれ妊婦はこう着こなす! ファッションエディターに聞く、現代マタニティスタイルの攻略法

  • 2025.5.25

この10年間で、マタニティファッションに革命のようなものが起きた。新世代のセレブやおしゃれ賢者たちが、いまだに根強く残る、妊婦の服装にまつわる時代遅れの考え方に物申し始め、体のラインを拾わないワンピースは廃れ、代わりにシアー素材のアイテムや、特徴的なシルエットの服が主流となったのだ。そしてこの新たなマタニティスタイルを牽引し、誰よりも体現しているのがリアーナだ。現在、エイサップ・ロッキーとの第3子を妊娠中の彼女は、常に自らのセンスが光る、大胆なマタニティルックレッドカーペットで披露し、世間の話題をさらっている。特に印象的なのは、2023年のアカデミー賞で着用した、アライア(ALAÏA)によるレザーとメッシュ製のドレス。「大きなお腹は隠すもの」という概念を、見事に覆した。

コンデナストのオフィスでも、自分らしいマタニティファッションを謳歌するエディターを、これまで何人も見てきた。そしてその誰もが、以前から愛用していた服を巧みにアレンジして、妊娠中も上手に着こなしている。しかし、1人、私がリアーナに匹敵するくらいのおしゃれ妊婦だと思う女性がいる。それが、『Glamour』誌のヨーロピアン・ファッション・エディターのロンディウェ・ヌクベだ。

ロンドン・ファッションウィークではカラフルなクリストファー・ジョン・ロジャーズCHRISTOPHER JOHN ROGERS)のジャージードレスに身を包み、オフィスではアディダスADIDAS)のトラックスーツパンツとミュウミュウMIU MIU)のポロシャツを着用する彼女は、何を着ていても、とにかくサマになるのだ。そして、妊婦となった今、そのスタイリング術はさらにレベルアップしたように思う。そんなエディター陣屈指のファッショニスタである彼女に、マタニティスタイルに関するあれこれを聞いた。

妊娠する前は、マタニティファッションに対してどういうイメージを持っていましたか?

マタニティファッションは、とても不格好で凡庸だと思っていました。あのお腹周りにストレッチを効かせたデニムは本当に穿きたくなかったですし、一般的なマタニティウェアは自分には合わないと気づいていました。あと、たった9ヵ月のために、なぜワードローブを一新しなければならないんですかね? この先着ることはない、特に自分好みでもない服を一通り揃えるのは、全く腑に落ちないです。

マタニティファッションに対する世間の考え方は、どう変わったと思いますか?

妊娠を単なる“医学的な現象”ではなく、人生の大事な一章としてとらえられるようになったと思います。現代の女性は、妊娠しても毎日をアクティブに過ごしています。仕事を続け、旅行に行き、自分のやりたいことやライフスタイルを優先していて、それに応じて、自然と妊娠中に着る服も変わりました。

例えば、私の母がかつて送った妊婦生活は、今とは全く異なるものでした。古くから伝わる、「妊娠中の正しい過ごし方」みたいなものに縛られていて、私が好きな服を着て過ごしているのを見るとうれしくなると、よく言われます。

また、「マタニティウェアは実用的なもの」という、型にはまった考えからも脱却していると思います。今は自分の個性を表現するものだという認識が広まりつつあって、昔よりもお腹を見せるファッションに関して、皆ずっと寛容になった気がしますね。肌や膨らんだお腹を見せる服装はもはやタブーではなく、むしろ新たな命を宿していることに対する、喜びの証のようなものです。

妊娠中でも、自分らしいおしゃれを楽しむコツは?

コツは、妊娠に伴う体型の変化を受け入れることです。妊娠すると、女性の身体はたくましく、美しく変化します。そして自分のスタイルは、変化に合わせて変えられるのです。私自身は、ワードローブを一新するのではなく、お気に入りのアイテムの新しい着こなしを見出しました。そして、新しい体型に慣れてきたら、特に妊娠後期あたりからは、スタイリングに遊び心を取り入れて、服を通して自分を自由に表現してみるといいです。私はいつも、何を始めるにしてもまずインスピレーションとなるものを探すのが好きで、マタニティファッションに関しても同じでした。上の子を妊娠したときは、着てみたいマタニティルックばかりを集めたピンタレストボードを作ったんです。試してみたいコーデを見つけておくと、お腹が大きくなってからのおしゃれが楽しみになります。

妊娠中に最も活躍したアイテムやコーデは?

ヴィンテージリーバイス®LEVI’S®)にハイクル(HAIKURE)、ダラ(DALA)のルーズなワイドデニムばかり穿いていました。腰の低い位置で穿けば、週数問わずお腹の膨らみを活かしたコーデが組めるので、大活躍したんです。仕事にはタイトなベストや胸をしっかりサポートしてくれるブラといったベーシックなアイテムの上から、オーバーサイズのテーラードピースを重ね着して行っていましたね。でも、一番着心地がよくてしっくりきたのは、Los Feliz Vintageで買ったジャンポール・ゴルチエJEAN PAUL GAULTIER)のドレスのような、ダブルファスナーやボタン付きの、少しストレッチの効いたヴィンテージアイテムです。ダブルファスナーやボタンは、フロントの開き具合を調整できるのでお気に入りでした。おかげで窮屈な思いをせずに、自由におしゃれを楽しむことができました。

あと、妊娠してすぐのときからクセニア・シュナイダー(KSENIA SCHNAIDER)のアイテムのいくつかに目をつけていたんですが、産後まで着られないと思っていたんです。でも、妊娠中に思い切って着てみてよかったです。遊び心と個性あふれるカットが特徴的なデザインが多くて、自分らしい着こなしが楽しめました。妊娠したからといって、自分らしさを諦める必要はないんです。

マタニティウェアを買うのと、すでに持っている服をアレンジして着るの、どちらがいいと思いますか?

私はもともとオーバーサイズの服を選びがちなので、妊娠中も前から持っている服を着まわせましたが、こればかりは人によって違うと思います。でも、新しい服を買う前に、まずは今あるアイテムで、色々なスタイリングを試してみるのがおすすめです。そうすれば、さまざまな変化が起きる妊婦生活の中でも、自分のスタイルをしっかりと貫けますし、自分らしさを意識したアイテム選びと、考え抜かれたコーデを組むことができます。中にはどうアレンジしても着られないピースも出てきますが、それは仕方がありません。でも、レイヤリングやちょっとした工夫をすれば、意外とたくさんのアイテムが、妊娠してからも着られることに気づくと思います。ただ、良いマタニティブラは絶対につけるべきです!そこだけは妥協しないように。

マタニティスタイルを参考にしている人は?

マタニティスタイルのあり方を変えたリアーナはもちろんそうですが、シンシア・セルバンテスやヴェネダ・カーター、90年代の頃のローリン・ヒルといった(セレブ)ママたちも参考にしています!

Text: Joy Montgomery Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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