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日本語教師「お土産、いらなかったら“遠慮なく”言って」直後、マレーシアの友人の対応に「頭が真っ白になった」

  • 2025.7.1
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

今回は、Yukioさん(30歳・自営業)がマレーシア滞在中に経験した、日本とマレーシアの“断り方”にまつわるカルチャーギャップをご紹介します。

約8年前、マレーシアの首都クアラルンプールで日本語教師として暮らしていたYukioさん。

ある日、友人にお土産を渡そうとしたときに、日本とは違う経験をしたといいます。

「気をつかって言ったのに…」お土産に対する驚きの返答

2017年ごろ、大学時代のインターンシップを経て、クアラルンプールで日本語教師として働き始めた私。

マレーシアでの暮らしにも慣れてきた頃、日本から持ってきたお菓子や小物を、現地の友人に手渡そうとしたときのことです。

これ、日本からのお土産。いらなかったら遠慮なく言ってね

日本式の“気遣い”として自然に添えたつもりの一言。するとその友人は、軽い笑顔でこう言いました。

じゃあ、いらない

一瞬、時が止まった気がしました。

というのも、「え、いま本当に断った!?」と、戸惑いと驚きで頭が真っ白になってしまったのです。

でも、周りの雰囲気は至って和やかで、その友人もまったく悪気のない様子でした。

“遠慮”は伝わらない?率直なマレーシア式コミュニケーション

あとからわかったのですが、マレーシアでは「遠慮なく」と言われたら、本当に遠慮なく答えるのが普通なんだそうです。

マレー系、中華系、インド系といった異なる文化背景を持つ人々が共存するマレーシアでは、誤解を避けるためにも「率直に伝える」ことが重要視されます。

ほしい?」「いらない?」という会話は、むしろ明確で好意的。曖昧な表現や遠回しな言い方は、かえって「何が言いたいのかわからない」と思われることもあります。

思わぬ本音の心地よさ

最初はショックでしたが、数回こうした場面に出くわすうちに「本音で話せるって楽だな」と感じるようになりました。

日本だったら、「“遠慮なくとは言われても断らない」のがマナーみたいな空気がありますが、マレーシアでは、その言葉通りに行動する。その方が、お互いに変な気遣いがなくて楽なんだということに気が付きました。

もちろん文化の違いには驚くこともありますが、それをポジティブに受け止めることで、より自然な人間関係が築けるのだなと気が付くことができました。

相手を尊重する気持ちが大切

この経験を通して、私が感じたのは「文化の違いに優劣はない」ということでした。

日本の“察する文化”は繊細で美しいものですが、マレーシアの“言葉にする文化”もまた、誠実でフレンドリー。

違いを拒むよりも「そういう考え方もあるんだ」と受け入れることで、自分自身の視野が広がっていくように思います。

異文化と接する中では、「自分の常識」を一度脇に置いてみることが、きっと一番の学びになるのかもしれません。



提供:Yukioさん(30歳・自営業)
※本記事は体験談をもとに構成されています。
※体験は渡航当時の状況に基づいており、現在の事情とは異なる可能性があります。
※写真はすべてイメージです。