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深夜ドラマ、強烈な内容がネットで話題「凄まじい」「トラウマレベル」視聴者が夢中になる超ベテラン女優の“狂気の演技”

  • 2025.5.28

女優・松下由樹が主演を務めるドラマ『ディアマイベイビー〜私があなたを支配するまで〜』は、一度観たら忘れられない強烈なインパクトを放つ作品だ。松下が演じる吉川恵子は、ベテランの敏腕芸能マネージャーとして描かれるが、その内面には常識を超えた“執着”と“狂気”が渦巻いている。

揺るぎない存在感――松下由樹が魅せる演技の真骨頂

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(C)「ディアマイベイビー」製作委員会

本作は、人気女優の独立をきっかけに傷心中の恵子が、偶然出会った青年・森山拓人(野村康太)を俳優としてスカウトするところから幕を開ける。

演技未経験の拓人を、恵子は法スレスレの手段を用いてまでオーディションに合格させ、その後も彼をスターに押し上げようと強烈な執念を燃やし続ける。その執着ぶりがあまりにも異様で、観る者は恵子の真意を探らずにはいられない。

松下由樹の演技の最大の魅力は、一言で言えば“揺るがなさ”にある。コメディからシリアスまで幅広いジャンルを演じ分ける彼女だが、どの作品でも作品全体をしっかりと支える屋台骨のような安定感を発揮する

とくに本作では、日常的な言動に潜む狂気を、品格ある視線や絶妙な間合いで表現し、物語に深いリアリティをもたらしている。“どこにでもいそうな人”のリアルさを掘り下げつつも、その奥にある複雑な感情を自然に滲ませる演技力には、圧倒的な説得力がある。

甘美で危険な母性愛?支配へと導く人心掌握術

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(C)「ディアマイベイビー」製作委員会

恵子の拓人に対する執着は、いわゆる母性愛にも似た形をとっている。両親がいない環境で育ち、自己肯定感が低くなってしまった拓人に対し、恵子は巧みな人心掌握術を用いる。

「あなたの価値を私は知っている」「私の言うとおりにすれば、あなたはもっと輝ける」……そんな風に甘く囁き続けることで、拓人を徐々に精神的に支配していくのだ。その過程はどこまでも狂気的でありながら、純粋さや切実さを滲ませており、そこに視聴者が抱く不安と共感が入り混じって奇妙な感情をかき立てる。

物語が進むにつれて、恵子の”愛情”は次第に暴走の域に達していく。拓人の母親である雪乃(山口紗弥加)が、息子の成功に便乗し金銭目当てに現れたときには「私はこの子の母親です!」と強く宣言し、拓人を守る盾となった。このシーンは視聴者に強烈な印象を与える。松下の演技が見せる“狂気と愛情の境界線”は曖昧で、その狂気はときとして純粋な愛情と錯覚されるほど、真に迫ったものである。

松下由樹が表現する人間の危うさ

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(C)「ディアマイベイビー」製作委員会

しかし最新話の第8話では、恵子の愛はついに一線を超えてしまう。拓人を監禁状態に置き、仕事を体調不良だと偽って断ってしまうのだ。「子どもが熱を出したら会社を休むでしょう? それと一緒ですから!」と一蹴する、明らかに理論が破綻した主張さえも、松下由樹の演技が生む絶妙なリアリティによって不気味な説得力を持つ。

このように、松下由樹は日常的なキャラクターに潜む複雑な人間性を、繊細かつ大胆に演じ切っている。彼女の演技によって、視聴者は“人間の心の奥底に隠された危うさ”を痛感せざるを得ない。SNS上でも松下由樹の演技に対して「迫力マジでトラウマレベル」「危うく発狂するところだった」「狂い方が凄まじい」「怖すぎて泣くかと思った」との声が絶えない。

『ディアマイベイビー』は、単なる狂気のドラマではなく、人間の複雑で危険な感情をリアルに映し出す、松下由樹の真骨頂を見せつける作品だ。その確かな演技力が、私たちの心を捉えて離さない理由ではないだろうか。


テレビ東京系 ドラマ24『ディアマイベイビー〜私があなたを支配するまで〜』金曜深夜24時12分〜

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_