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意外と解けない大人が多いかも?!「88+97−28」→暗算できる?

  • 2025.5.5
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今回の問題は引き算と足し算だけのシンプルな式ですが、実際に計算しようとすると、繰り上りや繰り下がりの多さにうんざりするかもしれません。

しかし、この問題、ある工夫さえすればかなり簡単に答えが出せます。どうやったら楽に計算できるのかを考えてみてください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
88+97−28

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「157」です。

制限時間内に答えられたでしょうか?

頭の中で暗算していったら、途中で混乱してしまったという人もいるかもしれません。

短い制限時間内に答えを出すための工夫の仕方は、次の「ポイント」で解説していますよ。

ポイント

今回の問題のポイントは、「交換法則を利用すること」です。

「88+97を計算して28を引く」と順番に計算していっても、もちろん答えは出ます。

ただし、繰り上りのある「88+97=185」も、繰り下がりのある「185−28=157」も、暗算するには時間がかかります。計算が複雑になると、ミスの可能性も高まりますね。

そこで、式の88と−28に注目してください。「88−28」は繰り下がりのない簡単な引き算です。「88+97」をする前に、まず「88−28」を計算すれば式がぐっと簡単になりますね。

  88+97−28
=88−28+97  ←先に88−28をする
=60+97  ←後で97を足す
=157

このように数の順番を変えて式を計算しても、正解の157が求められます。

しかし、勝手に式の順番を変えて計算することは許されているのでしょうか?

答えは、「式の形によっては許されている」です。

実は、計算式には「数の順番を変えて計算しても答えは変わらない」とする「交換法則」があります。

<交換法則>
■+△=△+■
■×△=△×■

ただし、この交換法則が成り立つのは、「足し算のみ」あるいは「掛け算のみ」の式だけです。

5+2=2+5  ←足し算は交換OK
5−3≠3−5  →引き算は交換NG

「あれ、今回の式は引き算も混じっているんだけど?」と思った人もいるかもしれませんね。

実は、引き算は+(−■)のような「負の数の足し算の形」にすれば、交換法則の利用もできます。

5−3≠3−5

だけど…

  5−3
=5+(−3)
=(−3)+5  ←交換OK

今回の式でも、−28を+(−28)と考えれば、97との交換が可能になります。

  88+97−28
=88+97+(−28)  ←−28を足し算の形にする
=88+(−28)+97  ←97と−28を交換する
=
88−28+97  ←()をとって引き算の形に戻す

計算しやすい部分から計算したいときには、この交換法則を利用するととても便利ですよ。

まとめ

交換法則を利用すると、式の中の数を自由に入れ替えて計算できます。交換法則は、足し算のみ、掛け算のみの式でしか利用できませんが、今回の問題のように引き算を足し算の形式に書き換えれば、交換法則が使えるようになります。

このとき、「−記号」を残して数を入れ替えるのではなく、「−記号」ごと数を入れ替えている点に注意してください。引き算に交換法則を使うときは、「5−3≠3−5」と「5−3=(−3)+5」の違いが分かるようになっておきましょう。

他にも計算の工夫がポイントになる問題を用意していますので、引き続き挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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