人にはそれぞれ「一生忘れられない怒りの記憶」があります。中でも、他人にはちょっと理解されにくいけれど、本人にとってはどうしても許せないことってありますよね。
今回紹介するのは、とある女性が体験した「大切なスーツを勝手に譲られた」エピソード。単にモノを失っただけではない、心の痛みと怒りが詰まった出来事です。
思い出が詰まったスーツを、勝手に…
投稿者のCさん(仮名)は、若いころに母親に買ってもらったスーツと、自分で選んで購入したお気に入りのスーツ、計3着を大切に保管していました。
着用回数も数回程度で、今でも十分に着られる状態だったそうです。
そんなある日、夫から「職場の後輩にスーツをあげたい」と申し出が。
もちろん、投稿者は「それは困る」と拒否しました。しかし夫は「もう着てないしいいじゃん」と聞く耳を持たず、強引に話を進めてしまったのです。
「気に入らなかったら捨てていい」?妻の気持ちはどこへ
「譲るとしても、もし気に入らなければ必ず返してもらって」と念を押していたCさん。
しかし夫は、その約束をあっさり破りました。しかも後になって、「気に入らなかったら捨てていいって言っておいたから」と平然と告げられたのです。
信じられないのは、そのあとの夫の一言。「え?あげたのが気に食わなかったわけ?だいたいあんな古臭いもんだと思わなかった。処分するのだって手間なんだよ」と。
…これには誰もが絶句するはず。
Cさんにとってそのスーツは、ただの「古着」ではなく、思い出が詰まった大切な品。母親の気持ち、自分の若いころの思い出、そして今でも“自分の一部”として手元に置いていた存在です。
それを「古臭い」「処分の手間」などと一蹴されたことに、怒りが収まらないのは当然でしょう。
「モノ」ではなく「気持ち」を大切にしてほしい
このエピソードは、“モノを大切にする”ことの意味を改めて考えさせられます。価値観は人それぞれ違いますが、自分にとって大切なモノには、たいていそれ相応の理由や背景があります。
夫にとっては「もう使わない服」「困っている人への善意」だったかもしれませんが、Cさんにとっては「思い出の品」「まだ使いたいと思っていた服」。このズレが、“絶対に許せない”レベルの怒りを生むこともあるのです。
また、「人に何かをあげる」ときは、その持ち主の気持ちや意向を何よりも尊重すべき。ましてや、断られたにも関わらず勝手に譲り、さらに「捨てていい」とまで言ってしまうのは、思いやりの欠如以外の何ものでもありません。
第三者の立場から見ると、「そこまで怒らなくても…」と思う人もいるかもしれません。でも、これは単なるモノの話ではなく、「自分の気持ちを踏みにじられた」「尊重されなかった」という深い問題です。
「怒り」は心のSOS。無理に忘れなくていい
今回のCさんのように、「思い出のスーツを勝手にあげられた」「しかも捨てていいと言われた」なんて出来事は、そうそうあるものではありません。でも、“自分にとって大事なもの”が軽んじられる経験は、意外と多くの人が共感できるはず。
怒りを感じたとき、「なぜ自分はこんなに腹が立つのか」と見つめてみると、自分が何を大切にしているかが見えてくるかもしれません。そしてその怒りは、きっと自分を守るためにあるのかもしれません。
※本記事では読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。
アンケート実施日:2025年3月18日
投稿方法:TRILL 募集フォームより
投稿者:50代女性・専業主婦