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堺正章『自身の存在意義』に疑問 名司会が迎えた“第3の暗黒期”

  • 2025.4.5

オリエンタルラジオ中田敦彦の公式YouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」で公開された堺正章との対談動画。この対談では、多くの人が経験する「40代の転換期」について率直な話が展開されていた。

数々の人気番組で司会を務め、長年にわたり国民的タレントとして愛されてきた堺正章。そんな堺が、著書『最高の二番手』で明かした“第3の暗黒期”とは。華やかな成功を収めた彼でさえ直面した、40代での深い空虚感とは。誰もが憧れる立場にいながら感じた「自分の役目のわからなさ」とは何だったのか。

この対談からは、年齢や立場を問わず、人生を豊かに彩る「大切なもの」を感じ取ることができるだろう。

(C)SANKEI

40代で訪れた「第3の暗黒期」

「緩やかに自分の役目が分からなくなっていった」と堺は40代前半を振り返る。華やかなグループ活動やソロでの成功を経て、40代に入ると、徐々に自身の存在意義について疑問を抱き、深く考えるようになったという。

これは多くの社会人が向き合う「このまま続けていくべきか」という自問に似ている。仕事は続いているのに、やりがいや充実感が少しずつ変化していく感覚。堺もそんな時期を過ごしたのだろう。

「司会業をずっとやってたんですけど、そこに空虚感みたいなものが出てきたんですよ」と堺は語る。司会者の仕事は、相手を立てることが大切。「自分の存在感を消せば消すほど相手は喜んでくれる」という思いに、彼は心を揺さぶられていたのだ。自分らしさと役割の間でバランスを取ることは、多くの仕事で共感できる部分かもしれない。

「下から上がってくる足音」と世代交代の流れ

40代の転機には、世代交代という自然な流れも影響している。堺はこれを「下から上がってくる方たちがものすごい勢いで台頭してくる」と表現した。まるで遠くから聞こえてくる足音のように、新しい世代の登場を感じ取ったのだ。

「ものすごく大きな足音が聞こえてきたのが40代だと思う」という言葉には、誰もが経験する変化への気づきが込められている。自分も以前は新人だった。それが今は、後輩たちの新鮮な活躍を見守る立場になっている。この変化が、堺に自分の立ち位置を考えさせるきっかけになったのだろう。

時代の流れは仕事のスタイルにも自然と影響を与える。堺が大切にしてきた「作り込む」芸能の価値観と、即興やアドリブを活かす新しい表現方法。この変化に、長年信念を持ち続けてやってきた堺だからこそ、思うところがあったことが伝わってくる。「今の方たちは現場でいいでしょう、アドリブでいいでしょうってなることが多い」と堺は言う。そして「それはその人が素晴らしいんであって、また別の形の表現」という見方を示している。長年培ってきた芸へのこだわりが感じられる言葉だ。

空虚感を満たしてくれる「趣味」という光

この40代の転換期を穏やかに過ごすために、堺が見つけた心の支えは「趣味」だった。仕事では周囲との調和が求められる一方、趣味は自分自身のための時間。この二つの世界は、まるで車の両輪のように堺の人生を彩ってきた。

「好きなものには理由がないし、嫌いなものにも理由がない」と堺は言う。この素直な思いが趣味の本質だ。「仕事の時はすごいストレスたまる」という正直な言葉からは、趣味が彼にとっての安らぎの場所だったことがわかる。

「趣味は自分だけの、自分に合わせればいい」というシンプルな真理。堺がゴルフから新しい趣味に移った理由も「ワクワクする気持ちを大切にしたい」という自由な発想からだった。仕事の役割を見つめ直しながらも、自分だけの「楽しめる時間」を持つことの大切さを、堺の経験は教えてくれる。

この動画をみた視聴者を見た視聴者は…

  • 「古い物の良さを残しつつ、時代に合わせて変化させて行く」 78才でこれを意識している柔軟性は凄いとしか言いようがない。
  • 心に響く名言をたくさんいただきました。
  • アラフィフの私、この先を生きる道標のひとつとして「最高の二番手」、買って読んでみたいと思いました。

40代や近い世代、人生の新たな章を開くすべての人にとって、堺の言葉は温かな励ましとなるだろう。仕事の中での自分の役割を見つめ直しながらも、自分だけの「楽しめる時間」を大切にすること。それは忙しい日々の中で見つける、小さいけれど確かな幸せの源なのかもしれない。

※記事内の情報は執筆時点の情報です