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羽生結弦「ひたすら毎日、不幸になろうって」独特すぎる“不幸ポイント理論” 米津玄師がバッサリ「変ですね」

  • 2025.3.30

TVアニメ「メダリスト」のオープニング主題歌として米津玄師によって制作された楽曲「BOW AND ARROW」。そのMVには羽生結弦が登場し、楽曲に合わせて羽生自らが振り付けを行ったショートプログラムを実際に披露している。

そんなコラボに際し、米津玄師の公式YouTubeチャンネルにて行われた、米津玄師とフィギュアスケーター・羽生結弦という日本を代表する二人のアーティストの対談から、成功の裏にある独特な思考法が明らかになった。漫画「メダリスト」のキャラクターについて語る中で、羽生は平昌オリンピックに向けて実践していた「不幸ポイント」という驚きの哲学を披露。その言葉からは、なぜ彼らが頂点に立ち続けられるのかが垣間見える。

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(C)SANKEI

独特すぎる理論…「不幸ポイント」を貯めていた羽生結弦

対談の中で羽生は、平昌オリンピックに向けて取り組んでいた独自の方法を明かした。「平昌オリンピックの時にひたすら『不幸を貯める』という作業をしてたんですよ」と語る羽生。その背景には、「人生の幸せは、マイナスがたまればたまるほどプラスになる」という彼なりの理論があった。

単純に言えば「めっちゃ不幸になったら、めっちゃ幸せになれるんじゃない?」という発想から、毎日「不幸になろう、不幸になろう」と考え、「不幸ポイント」を意識的に集めていたのだ。具体的な方法として、「やりたくないと思ったことを率先してやる」という実践を続けていたという。この奇妙で独特すぎる理論と取り組みについて聞き、羽生に「変な人ですよね」と問われた米津は、苦笑しながらバッサリ「変ですね」と断言するも、「わからんでもない気はする」と共感を示した。

「不幸ポイント」を積み重ねる発想こそが、羽生を世界のトップへと押し上げた隠れた原動力の一つなのかもしれない。困難を避けるのではなく、むしろ積極的に選び取るという逆説的な姿勢が、彼のプロフェッショナリズムの核心にある。

「犠牲とは何か」共通認識に見る二人のプロフェッショナリズム

対談の核心部分は、二人が「犠牲」についての考え方を共有する場面だ。米津が羽生を漫画「メダリスト」のキャラクター「夜鷹」に例えると、羽生は「なんかその、中身冷酷なところがあるっちゃあります。あとはなんかその犠牲を払うことによってつかめる栄光みたいな…すっごいわかる」と深く共感した。

この「犠牲」に対する二人の考え方には、トップクリエイターたちの成功哲学が凝縮されている。二人は「犠牲」を単にネガティブなものとしてではなく、成功に必要な投資として捉えているのだ。米津も「マイナスがあればあるほど、絶対にそれ幸福に近づいていく」と応じ、創作活動においても同様の真理があることを示唆した。

この「犠牲と成功」の関係性への理解は、彼らが実際に頂点を極めるために払ってきた代償の大きさを物語っている。成功の裏には常に「何かを犠牲にする」選択がある。しかしそれを彼らは「当たり前」として捉えていて、犠牲を「犠牲」と思っていないようであった。自分の理想をつかみ取るために必要な「犠牲」を恐れず受け入れる覚悟が、二人に共通する強さの源泉なのだろう。

「逆境こそが存在意義」二人の生き方と哲学

羽生と米津の対談から浮かび上がるのは、一般的には避けられる苦難を、むしろ自分のアイデンティティとして受け入れる特異な生き方だ。羽生は「マイナスって悪いことだけでもない」と語り、困難を乗り越えることで得られる気づきの価値を強調する。

興味深いのは、彼らがこの「苦しみ」を選び取る姿勢を、周囲からは「かわいそう」と見られていることを自覚している点だ。米津は「友達とかが見るとなんか『かわいそう』って言われる」と打ち明け、羽生も頷く。しかし二人にとって、それは「自分にとっては犠牲にするしない以前に、それが一番心地いい」「選択肢にもない」というほど自然な生き方なのだ。

創作活動や競技に打ち込むことが「生きている証」となり、それがなければ「自分という存在の証明ができなくなってしまう」という羽生の言葉には、彼らの存在意義そのものが込められている。この生き方こそが、彼らを高みへと押し上げ、並外れた成功をもたらした原動力なのだろう。米津と羽生の対談から見えた「逆境を糧にする哲学」は、真のプロフェッショナルが持つ特異な精神性の一端を私たちに示している。

視聴者の心を揺さぶった二人の対談…“哲学”への反応

  • 「楽しんでいられるために必死になってる」っていい言葉だな
  • 苦行にしか見えない作業を楽しんで、むしろやりたいんだと、その感性が人の感情を動かして魅了するんだろう
  • 本気で生きて本気で仕事する人たちの対談に感動した

二人の「本気」の姿勢と特異な価値観は多くの人の心を動かしている。米津と羽生が語った「不幸ポイント」や「犠牲と成功」の哲学は、トップに立つ者だけが知る特別な真実なのかもしれないが、その奥にある「本気で生きる」という姿勢は、どんな分野でも成功を目指す人々に大きなヒントを与えてくれるだろう。

※記事内の情報は執筆時点の情報です。