1. トップ
  2. クイズ
  3. インド式計算法に挑戦!「2233÷9」→暗算できる?

インド式計算法に挑戦!「2233÷9」→暗算できる?

  • 2025.3.14
undefined

今回は、9で割る割り算の問題に挑戦しましょう。一見、暗算するのはなかなか難しそうですが、ある暗算方法を使えば、10秒以内に答えを出すことが可能です。

どのような暗算方法か知りたい人は、ぜひチャレンジしてみてください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。答えは整数で求め、余りが出る場合は余りも答えましょう。
2233÷9

※制限時間は10です。

解答

正解は、「248あまり1」です。

どうやって計算すれば、10秒以内に答えが出せるのでしょうか?

次の「ポイント」で、暗算方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントとなるのは、「割られる数の各桁を足していく」という暗算方法です(この暗算方法は、インド式計算法の一種として知られています)。

具体的には、次のように計算します。

<四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法>
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,c,dは0以上9以下の整数)

以下の手順で、答えの各桁と余りの数を計算します。

手順1:答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
手順3:答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
手順4:余り=a+b+c+d

※手順1〜3の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※手順4で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。

では、この暗算方法を使って今回の問題の答えを求めてみましょう。

<2233÷9の暗算方法>
1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=2
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=2+2=4
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=2+2+3=7 
4.余り=2+2+3+3=10(9以上になる)
「10÷9=1余り1」なので、答えの一の位に1を繰り上げ、余りは1にする。

繰り上げ後
・一の位は7+1=8
・余りは1

答え:248あまり1

これで答えが出ました。地道に割り算をするよりも、各桁の足し算をする方が簡単ですね。

この暗算方法が成り立つ理由

「暗算方法は分かったけれど、どうしてこの方法で答えが出るの?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

算数や数学では、どうしてその計算が成り立つのか考えることはとても大事です。

まず、四桁の数を「1000a+100b+10c+d」という式であらわします。これを9の倍数が現れるように変形していきます(変形する部分を強調した太字部分に注目してください)。

  1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d ←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d ←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d ←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)

「9{100a+10(a+b)+(a+b+c)+(a+b+c+d)}」を9で割ると、答えは「100a+10(a+b)+(a+b+c)」になり、余りが(a+b+c+d)になります。これは、先に紹介した暗算手順と一致しますね。

繰り上げについて

気力がある人は、繰り上げがある場合についても考えてみましょう。

答え「100a+10(a+b)+(a+b+c)」のaや「a+b」、「a+b+c」は答えの各位の数を表しているので、10以上になったら繰り上げが起こることになります。

また、余りの「a+b+c+d」が9以上だった場合、「a+b+c+d=9×e+f(e≧1、0≦f<9)」と表せます。これを次のように変形していきます(e,fは整数、fはa+b+c+dを9で割った余りを表しています)。

  9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+9×e+f(e≧1、0≦f<9)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c+e)}+f ←余りに含まれる9の個数(e)を答えの一の位に繰り上げた

これで、暗算の手順4で余りが9以上になったときの繰り上がりも説明ができますね。

まとめ

今回の問題では、9で割る割り算の暗算方法を紹介しました。

この暗算方法は「割られる数の各桁の位を足していくだけ」なので、普通に割り算をするよりも楽に答えが出せます。ただし、足し算の結果、繰上りが発生する場合があるので、その点には注意しましょう。

9で割る割り算を見かけたら、ぜひ今回紹介した暗算方法を試してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


類似の数学問題にもう1問挑戦!

10秒で計算してみて!「2350÷9」→暗算できる?
10秒で計算してみて!「2350÷9」→暗算できる?