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20秒で計算してみて!「7128÷9」→暗算できる?

  • 2025.3.5
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世の中には、さまざまな暗算方法があります。これらの暗算方法は、地道に計算をしているとかなり時間のかかる問題の答えを、すぐに導いてくれます。

今回は、そんな暗算方法を一つご紹介しましょう。

問題

次の計算を暗算でしなさい。答えは整数で求め、余りが出る場合は余りも答えましょう。
7128÷9

※制限時間は20秒です。

解答

正解は、「792」(あまりなし)です。

20秒以内に暗算するには、どうしたらよいのでしょうか?

次の「ポイント」で暗算方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題では、「割られる数の各桁を足していく」という暗算方法がポイントになります(この暗算方法はインド式計算法の一種として知られています)。

具体的には、次のように計算をしていきます。

<四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法>
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,c,dは0以上9以下の整数)

以下の手順で、答えの各桁と余りの数を計算します。

手順1:答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
手順3:答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
手順4:余り=a+b+c+d

※手順1〜3の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※手順4で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。

では、この暗算方法を使って今回の問題の答えを求めてみましょう。

<7128÷9の暗算方法>
1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=7
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=7+1=8
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=7+1+2=10 ←答えが10以上になったので十の位に1を繰り上げる
4.余り=7+1+2+8=18(9以上)18÷9=2余り0なので、答えの一の位に2を繰り上げ、余りは0にする。

繰り上げ後
・十の位は8+1=9
・一の位は0+2=2
・余りは0

答え:792(余りなし)

繰上りの処理が分かりにくいという人は、下の画像をご覧ください。

このように各位を足した数を積んで位合わせをすると、繰り上りが分かりやすくなります。

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この暗算方法が成り立つ理由

さて、この暗算方法はどうして成り立つのでしょうか。

四桁の数を表す「1000a+100b+10c+d」という式を、9の倍数が現れるように変形していくとその理由が分かります。変形する部分を強調した太字部分に注目してください。

  1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d ←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d ←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d ←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)

「9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)}」を9で割ると、答えは「100a+10(a+b)+(a+b+c)」になり、余りが(a+b+c+d)になります。これは、先に紹介した暗算手順と一致しますね。

繰り上げについて

ここで、aや「a+b」、「a+b+c」は答えの各位の数を表しているので、10以上になったら繰り上げが起こることになります。

また、余りとなるパートの「a+b+c+d」が9以上だった場合、「a+b+c+d=9×e+f(e≧1、0≦f<9)」とすると次のように変形ができます(e,fは整数、fはa+b+c+dを9で割った余りを表しています)。

  9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+9×e+f(e≧1、0≦f<9)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c+e)}+f

暗算の手順4で余りが9以上になったときの繰り上がりも、説明ができますね。

なお、余りを表す「a+b+c+d」の部分が9の倍数になれば、余りを表すfは0になるので「各桁の数の和が9の倍数になる=その数は9で割り切れる」といえます。これは9の倍数を判定する方法として有名なので、ついでに覚えておくとよいでしょう。

まとめ

今回は、9で割る割り算の暗算方法について紹介しました。

その方法は各桁の値を足すだけです。繰上りがある場合は少々難しくなりますが、慣れてくれば筆算よりもずっと楽に答えが出せますよ。とくに割られる数の桁数が大きい場合は、とても便利です。

9の割り算を見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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