算数や数学の問題は、いつでも式の左から順番に計算していけばよいとは限りません。計算の順番にはルールがあり、ルールに従うことで正しい答えが出せます。
今回の問題は少しややこしい形をしていますが、あなたは正しい計算の順番が分かるでしょうか? ぜひ挑戦してみてください。
問題
次の計算をしなさい。
{12−6+(11−5)}÷4
解答
正解は、「3」です。
二種類の括弧に戸惑ってしまった人もいるかもしれませんね。
では、この式の正しい計算順序を、次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「( )の中→{ }の中」の順で計算することです。
計算順序の基本ルールは次の通りです。
<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.括弧の中
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算
※同じ優先順位の計算がある場合は、左にあるものを優先して計算します。
最も優先順位が高いのは、括弧の中の計算です。さらにこの括弧にはいくつかの種類があり、優先順位が異なります。
この問題に含まれている括弧は( )と{ }の二種類ですが、優先順位は( )のほうが高くなります。
よって、最初に計算すべきは( )の中の引き算です。
{12−6+(11−5)}÷4
=(12−6+6)÷4※
※式の中の括弧が一つになったので、{ }を( )に書き換えています。
計算順序のルールにある通り、引き算の計算順序は本来なら一番後になります。しかし、今回の式のように( )をつけることで、優先順位を一番最初に引き上げることができるのです。
このように、( )は計算の優先順位が低いパートを最初に計算させたいときに有効な記号です。
次に、残った( )の中(最初の式では{}の中)を計算します。
この中には引き算と足し算が含まれています。計算順序のルールでは、引き算と足し算の優先順位は同じになっています。このような計算が並んでいる場合は、左にある方を優先して計算するので、引き算→足し算の順に計算を進めます。
(12−6+6)÷4
=(6+6)÷4
=12÷4
最後に割り算をすれば、答えが出せます。
12÷4
=3
計算順序のルールでは、割り算は足し算や引き算よりも優先順位が高くなります。今回の式で、もし括弧がなければ、まずは割り算から計算をする必要がありました。
しかし、括弧がつくことで、計算の順序は大きく変わります。
<括弧がある場合とない場合での計算順序の比較>
12−6+11−5÷4 ←割り算から計算をする
{12−6+(11−5)}÷4 ←11−5の引き算から計算する
括弧付きの式では、まず括弧の中の計算に注目することを忘れないようにしましょう。
まとめ
今回の問題では、二種類の括弧が付いた問題に挑戦しました。
優先順位が最も高い括弧は( )です。次に{ }の中を計算します。括弧の中の計算は優先順位が高くなるので、「足し算や引き算」を「掛け算や割り算」より先に計算したいときは、括弧を使って式を書きましょう。
このような計算順序のルールは、たくさん計算をこなす中で身についていきます。他の計算問題にもどんどん挑戦してくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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