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柳楽優弥の演技力に脱帽…【実際の事件がモデルのノンフィクション映画】“巣鴨子供置き去り事件”をモデルに制作された“衝撃作”

  • 2025.2.24

実話を題材とした作品は、フィクションの作品に比べて感動や衝撃を大きく感じますよね。そのため、ノンフィクション作品は数多く制作されています。今回は、そのなかでも実際に起こった事件がモデルのノンフィクション映画を5選をセレクトしました。

本記事ではその中から、2004年公開の映画『誰も知らない』をご紹介。あまりにも辛すぎる現実に、思わず目を背けたくなるような本作の内容とは…?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

幸せになる方法とは…?“実際の事件がモデルのノンフィクション”映画『誰も知らない』

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『誰も知らない』
  • 公開日:2004年8月7日

あらすじ

1988年に発覚したネグレクト事件をモチーフに、是枝裕和が監督・脚本を務めた衝撃作。

東京都のアパートに、母・福島けい子(YOU)とそれぞれ父親の異なる4人の子どもが住んでいました。大家には長男以外の存在を明かしておらず、学校にも通わないほど社会とは隔離された環境で日々を過ごしています。

そんななか、けい子は新しい恋人ができたために、長男である明(柳楽優弥)に子どもたちの世話を全て任せて家に帰らなくなります。子どもだけで過ごしていることがバレれて4人がバラバラになることを恐れた明は、誰にも知られないように生活していくのでした―。

目を背けてはいけない社会問題…映画『誰も知らない』の注目ポイント※ネタバレあり

1988年に発覚した「巣鴨子供置き去り事件」を題材とした本作。作中では、妹のゆき(清水萌々子)が亡くなってしまい、残った3人で生きていく姿が映し出されて幕を閉じます。しかし、実際の事件では次男の白骨化死体や三女の遺体が見つかるなど、凄惨な出来事が起きたとされています。

本作の注目ポイントは、明の弟妹を想う気持ちです。親から育児放棄を受けた子どもたちは、おそらくすぐに大人に相談すれば保護されずっと快適な環境で過ごせたはずです。

しかし、4人にとっての幸せは兄妹が一緒にいることだったので、明は3人を世話しながら4人で暮らすことを決意します。兄として懸命に弟妹たちを世話する明の姿を見て、複雑な感情による涙が溢れてしまうことでしょう。

柳楽優弥の演技力に脱帽…誰しもが観るべきノンフィクション作品

本作で主演を務めた柳楽優弥さんは、その高い演技力から映画初出演でありながら第57回カンヌ国際映画祭で史上最年少・日本人初の男優賞を受賞しています。柳楽さんをはじめとした、俳優陣の感情を揺さぶる迫力の演技にも注目です。

また、今回のモデルとなった事件以外にも、ネグレクトによる子どもたちの被害は数多く存在します。映画のタイトルにもある通り、誰も知らないところで今も泣いている親のいない子どもたちがいるのかもしれません。社会問題であるネグレクトについて考えるきっかけとして、本作は誰しもが観るべき作品であると言えるでしょう。

まだ映画『誰も知らない』を観たことがない方、また本記事を読んで映画『誰も知らない』に興味を持っていただけた方は、ぜひ“本作で描かれた社会問題”に直面してみてください。


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です。