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「グサグサくる」「さすがすぎる」有名脚本家の名セリフが詰まった2025年“新春ドラマ”に止まらない反響

  • 2025.1.7

松たか子が主演する野木亜紀子脚本のホームドラマ『スロウトレイン』が、TBS系にて1月2日放送。渋谷葉子(松たか子)、都子(多部未華子)、潮(松坂桃李)の姉弟は、交通事故で両親と祖母を一度に亡くしていた。両親たちの二十三回忌の法事の帰り道。「韓国に行く!」という都子の告白をきっかけに姉弟3人の人生の分岐点が描かれていく。物語もさることながら、観る人それぞれの心に刺さる言葉の数々に、SNSでさまざまな声があふれていた。

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新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』より(C)TBS

「家族だから」「他人だから」こその距離感 葉子の言葉にSNS「響いた」

葉子と潮は、都子に会いに釜山へ向かう。そこには、都子とともに店を始めるユンス(チュ・ジョンヒョク)の姿があった。葉子は、ユンスからのプロポーズを都子が応えていないことを知る。都子は、葉子が結婚していないことを理由に応えられなかったのだ。

葉子は、都子に結婚しない理由を「お姉ちゃんのせいにしないでくれる」と言い切った。さらに結婚しなかったのは都子と潮のせいではないが、2人の存在を言い訳にしてしまった自分のダサさを詫びた。2人に破談の理由を問われた葉子は「姉弟だからって全部言う必要ないでしょ。あんたたちだって言いたくないこと言わなくていいの」と諭し、そして「一緒に歩きたいと思う人がいるなら、曖昧に流さないできちんと話しなさい。何も言わないでわかってもらおうなんて虫が良すぎる。相手は他人なんだよ。家族じゃないんだから」と続け…。

そんな葉子の言葉にSNSでは「すごく響いた」「両方言ってくれるの救われるなあ」「グサグサくる」との声があふれていた。また、「さすがすぎる」「2時間に素敵な言葉が詰まっているのは、野木さんだからこそ」など、脚本の野木亜紀子への絶賛の声も聞こえている。

さらに両親たちの火葬の帰りを映し出した回想では、泣きじゃくる幼い都子と潮に葉子が「ゴールがわからなくても次の駅は見えています」と語り掛ける様子も。その時を想起させるように、誰かと歩む未来に不安を抱えていた都子と潮が葉子の言葉で背中を押される姿が感動的だった。

人それぞれの“寂しさ”、亡き家族に宛てた手紙風の葉子のモノローグに反響続出

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新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』より(C)TBS

葉子自身や出会った人々の言葉が、視聴者に“寂しさ”についての言葉も印象的。

「僕は常々、人といる孤独が辛いと考えてる、何よりも。だったら一人でいるほうがましだよ」(百目鬼)

「みんなどうしてそう誰かと結びつけたがるのかなぁ。私としては今の生活満足しているのに、一人ってだけでそうじゃない人にされちゃうのが…」(葉子)

「(葉子に対し)あなた孤独じゃないんですよ。だから簡単に言えるんです。一人でも生きて行けるって。一人じゃないから言えるんです」(葉子がマッチングアプリで会った男性/宇野祥平)

などといった言葉が、視聴者の心に突き刺さる。終盤では、妹と弟の巣立ちを後押しした葉子の、亡き両親や祖母に宛てた手紙のようなモノローグが視聴者の感動を誘った。

「これまで寂しさをろくに感じることなく、どこか遠い手触りのまま生きてこられました。それはとても幸せな、贅沢な話です」「私は子供を遺しません。あなたから見ればそれは寂しいことでしょう。だけど案外楽しくやっています」「日々を営み、ただ生きて、生きて、生きて…小さな時間を過ごしています。そして一つの命として消えていくのです。小さな私たちの小さな営みはどこにつながっていくのでしょう」真新しい滑(すべ)らかなレールが運んでくれることでしょう」

葉子の現在地とその先を見据えたその言葉に、SNSでは「世の中には、寂しさをあまり感じたことない人、感じて来れずにいた人が思った以上にいるんだと言うことを描いてくれて、はじめて愛をテーマにした物語で共感できたかもしれない」「人には人の寂しさがあって、人には人の次の駅がある。いい余韻」「孤独も幸せも不安も全部抱えて生きていくような、温かいドラマだった」「刺さる言葉が散りばめられている」と反響が続出し、新年から温かい感動の声があふれていた。



TBS系 新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』

ライター:小松加奈
ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。

※記事内の情報は執筆時点の情報です