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待ち望んでいた視聴者多数!朝ドラに渡辺直美“登場”→SNSでも話題沸騰「圧巻の演技」「似合ってる!」

  • 2025.1.24

主人公・結(橋本環奈)の姉である歩(仲里依紗)の葛藤を中心に描かれた『おむすび』第16週「笑え、ギャルズ!」。岩手に住んでいる親友・鬼ギャルのアキピー(渡辺直美)に物資や服を送っていたものの、仮設住宅に暮らすアキピーにとって本当に助けになっているのか、と悩む歩の心境が描写された。

歩が抱えた葛藤の正体

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『おむすび』第16週(C)NHK

1995年の阪神・淡路大震災。そして2011年の東日本大震災。時を隔てた二つの震災を通し、被災した側のつらさや喪失感、そして支援する側の葛藤を描いている『おむすび』。阪神・淡路大震災で親友を亡くしている歩は、何かするなら次は私だよ、と宣言し、東北へ物資を送る活動を始める。

歩には、かつて交友を深めていた、鬼ギャルと名高いアキピーという親友がいる。彼女が岩手に住んでいて、まさに仮設住宅での暮らしを余儀なくされていると知った歩は、物資とともにギャル服や小物なども送っていた。

それは「ギャルだからこそ、できることを」と考えて至った行動だったが、やがて歩のなかで疑問が芽生え始める。自分が送っている物資や服が、本当に助けになっているのか。自分がやっていることは、ただの自己満足なのではないか

ギャルである以上、自分の好きなことを貫き、他者の目を気にせず笑顔で、仲間のために手を取り合って生きること、がモットーであるはず。しかし、被災した経験がある歩だからこそ、「笑顔で明るく!」が通じない状況もあることを痛いほど知っている。友人であるチャンミカ(松井玲奈)との間にトラブルも重なり、歩はどんどん塞ぎ込んでしまう。

歩の葛藤は、支援する側、他者をケアする側に立とうとする人間が必ず通る道だろう。何か助けになりたい、それでも、自分がやっていることが“正解”かどうかわからない。答えの出ない疑問に苛まれ、身動きが取れなくなってしまうのだ。

アキピー役の渡辺直美、真打登場?

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『おむすび』第16週(C)NHK

チャンミカの経営する古着店から、高価な古着や金銭が盗まれてしまった。犯人は、チャンミカが新しく付き合い始めた恋人。歩はその可能性に気づいていたが、恋人のことをギリギリまで信じていたチャンミカと相入れず、気まずくなっていた

そんなとき、颯爽と現れたのがアキピーだ。アキピー役を演じる渡辺直美の「圧倒的な陽」としか表現し得ないパワフルさが眩しい。先週から彼女の出演を待ち侘びていた視聴者も多かったのだろう。SNS上でも「圧巻の演技」「ギャル姿、似合ってる!」と歓迎する声が多い。

12歳の娘・カナ(米田登貴)と岩手で暮らしていることを告げたアキピーは、送ってもらった服をリメイクし、娘と一緒に着ていると歩たちに報告。「仮設住宅では派手でしょ!」と突っ込まれながらも、明るく可愛い服を着ることで気持ちを立て直せた、と口にするアキピーに、歩とチャンミカは、自分たちがやってきたことは間違っていなかった、と確かめ合えた。

人が人を助けたい、何か手を貸したいと思うとき、その思いに反して意図が上手く伝わらず、関係にヒビが入ってしまうこともある。しかし、言葉を尽くせばいつかはきっと、お互いが納得できる境地に辿り着く。そう信じ合うことが大切なのだと教えてくれる回だった。

NHK 連続テレビ小説『おむすび』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHKプラスで見逃し配信中

※記事は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_