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“素朴”なのに心を奪われる…新ドラマに抜擢された主演女優にSNSでも絶賛の声「納得」「好感度高い」

  • 2025.1.14

田舎暮らし+囲炉裏料理+年の差恋愛をテーマにした『アリスさんちの囲炉裏端』が放送開始。10年ぶりに田舎に帰ってきた年上のお姉さん・アリスを馬場ふみかが、彼女と交流する年下男子・晴海を佐藤瑠雅が演じる。化粧っ気なく素朴でありながら、艶めく存在感を残すアリスのキャスティングについて、馬場ふみかの起用にSNS上では「納得」「好感度高い」と良い評価だ。

恋愛要素をまぶしたスローライフドラマ

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(C)SANKEI

10年ぶりに田舎に帰ってきたアリスが、茅葺き屋根と囲炉裏のある家で、薪割りをしたり料理をしたりしながら暮らす。田舎暮らしと丁寧な手仕事に光を当てたドラマ『アリスさんちの囲炉裏端』は、前クールの『天狗の台所』を思い出させる静謐な空気に満ちている。

異なる点を挙げるとすれば、恋愛要素がまぶされているところ。久々に戻ってきたアリスと交流するのは、かつて幼少期に仲の良かった男の子・晴海だ。高校生になった彼とアリスは、一度再会したらすぐにあの頃のように……とまではいかないが、ともに薪割りをしたり、囲炉裏でサンドイッチを作って食べたりする過程で、少しずつ距離感を取り戻す

仲が良かったのは本当だけれど、それは10年も前のこと。アリスから晴海に対して「ちょっと緊張してた、晴海くん大人になってるんだもん」といった言及があったり、小さい頃は膝枕で寝ていた、と言われたり。経った時間と予期せぬ再会が、少しの気まずさと歯痒さを生む。

時間がゆっくり流れているからこそ、お互いの距離感や、いま考えていることに想いを馳せる余白が生まれる。前クール『天狗の台所』でもそうだったが、こういったスローライフ系のドラマは、いかにその空白や、そこから漂う余韻を視聴者に味わってもらうかにかかっている。

『天狗の台所』が兄弟や家族の結びつきを描いたのだとしたら、『アリスさんちの囲炉裏端』は10年ぶりに再会した年の差のある男女のあいだに、友情とも恋愛ともつかない曖昧な感情が揺れ動く様を、じっくりみられる作品になるのだろう。

馬場ふみかの新鮮な一面

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(C)SANKEI

モデル、タレントとしてキャリアをスタートした馬場ふみか。近年、役者として映画やドラマなど映像作品にも多数出演している。映画『恋は光』(2022)、『コーポ・ア・コーポ』(2023)をはじめ、ドラマでは『アリスさんちの囲炉裏端』と同時期に『私の知らない私』にも出演。

『私の知らない私』では、1年間の記憶をなくしてしまった主人公・羽田芽衣(小野花梨)の前に突如姿を表す女性・篠原翠を演じている馬場。芽衣と翠はかつて学友同士であったものの、不運な事故で翠は命を落とした、とされていた。言動に一貫性がなく謎めいた役柄は、『アリスさんちの囲炉裏端』とはまた違った一面である。

良くも悪くも、人は他者に対して“ジャンル分け”をしてしまいがちだ。「この人はこういうイメージ」と箱で分類するように理解したほうが、端的に言って楽だからだろう。しかし、馬場ふみかの存在は裏切ってくる。飛び越えてくる。作品によってさまざまな面を見せてくれる彼女は、役者としての天性の光をまとっているように見える。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_