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工夫して10秒で計算してみて!「92×98」→暗算テクニックをご紹介!

  • 2025.2.3
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掛け算に使われている数が大きいと、筆算をするのにも時間がかかります。

しかし、ある条件に当てはまる掛け算であれば、暗算でスピーディーに答えが出せる場合もありますよ。

今回の問題は、100に近い数どうしを掛け算します。さて、あなたは暗算できるでしょうか?

問題

次の計算を暗算でしてください。
92×98

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「9016」です。

こんな大きな数が答えになる掛け算、暗算なんて無理…そう思った人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。

この問題、実はかなり簡単に計算できるのです。

ポイント

今回の問題を暗算するポイントは、「掛けられる数も掛ける数も100に近いことに注目する」です。

さっそく、具体的な暗算方法を紹介しますね。

<掛けられる数も掛ける数も100に近いときの暗算方法>

ステップ1.100×100を計算する
→100×100=10000

ステップ2.各数の100との差を足したものに100掛けたものを1の答えから引く
→92と100の差は8(100−92=8)、98と100との差は2(100−98=2)なので、
 (8+2)×100=10×100=1000
 10000−1000=9000

ステップ3.各数の100との差を掛けたものに2の答えに足す
→92と100の差は8(100−92=8)、98と100との差は2(100−98=2)なので、
8×2=16
9000+16=9016

スリーステップで簡単に答えが出ましたね。100に近い数どうしなら、この手順ですぐに暗算ができます。

暗算方法が成り立つ理由

では、どうしてこの暗算方法が成り立つのか、考えてみましょう。

掛けられる数を100−a、掛ける数を100−bとします。

(100−a)×(100−b)

ここで、次の分配法則とマイナスとマイナスの掛け算ルールを確認してください。

<分配法則>
(◆+▲)×〇=◆×〇+▲×〇
(引き算の場合)
(◆−▲)×〇=◆×〇−▲×〇

<マイナス×マイナスの計算>
−a×(−b)=+a×b→マイナス×マイナスの答えはプラスになる

では、(100−a)×(100−b)の計算をしていきましょう。

(100−a)×(100−b)←分配法則を使う。100を◆、aを▲、(100−b)を〇と見る。
=100×(100−b)−a×(100−b)←もう一度分配法則を使う(−a×(−b)は+abになることに注意)。
=100×100−100×b−a×100+a×b
=100×100−a×100−b×100+a×b

最後の式に、暗算方法の三つのステップがすべて表れています。

まず、100×100はステップ1に該当します。

−a×100−b×100は、−でくくると−(a×100+b×100)になります。aにもbにも100が掛かっているので、分配法則の逆をすると、−{(a+b)×100}と表せます。これはステップ2に該当します。

最後のa×bはステップ3に該当します。

まとめ

今回は「100に近い数どうしの掛け算の暗算方法」について紹介しました。

ここで紹介した暗算方法はインド式計算法の一種として知られています。

なお、この方法は100から遠い数どうしの掛け算で使おうとすると、かえってややこしくなることがあります。

例えば72×88もこの計算方法で答えが出せますが、ステップ2では10000−(28+12)×100を、ステップ3では28×12を計算しなくてはなりません。これでは、とても暗算できそうにありませんね。

この暗算方法で答えが簡単に出せるのは、主に90台の数どうしの掛け算だと覚えておきましょう。

インド式計算法を使う場合は、式の形が「ある条件」に当てはまるかどうかが重要になります。他のパターンも知りたい人は、インド式計算法について調べてみましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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