数学では、算数には登場しない負の数の計算を学びます。負の数の計算方法は正の数の場合とは少し違いますが、今でも覚えているでしょうか。
今回の問題に挑戦して、確かめてみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
−12×(−3)÷(−2)
解答
正解は、「−18」です。
どうして答えが負の数になるのか、分かりますか? 式に負の数ばかりでてくるから…ではありません。
正確な負の数の計算ルールを、次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「負の数三つを掛け算、割り算していること」です。
負の数の掛け算と割り算では、答えの符号を次のルールに沿って決定します。
<答えの符号の決め方(掛け算・割り算編)>
・同符号どうしの掛け算・割り算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=+1 −1÷(−1)=+1
・異符号どうしの掛け算・割り算の答え→負の数(−)になる
例:1×(−1)=−1 −1÷(+1)=−1
では、このルールを守りながら、今回の問題を計算していきましょう。
冒頭は負の数×負の数(同符号どうしの掛け算)なので、答えは正の数になります。
−12×(−3)÷(−2)
=+36÷(−2)
残りの割り算は正の数÷負の数(異符号どうしの割り算)なので、答えは負の数になります。
+36÷(−2)
=−18
これで答えが出ましたね。
なお、冒頭の「−12×(−3)」の答えが正の数になり、次に「÷(−2)」すると答えが負の数になったように、負の数の掛け算・割り算を繰り返すと、答えの正負は交互に切り替わっていきます。
−■×(−▲)→答えは正の数
−■×(−▲)÷(−◎)→答えは負の数
−■×(−▲)÷(−◎)÷(−▼)→答えは正の数
…
この正負の入れ替わりを観察すると、ある規則性に気が付きませんか?
負の数を偶数個掛けたり割ったりしたときの答えは、正の数になっています。そして、負の数を奇数個掛けたり割ったりしたときの答えは負の数になっています。
今回の問題では負の数を三つ、つまり奇数個掛けたり割ったりしたので、答えは負の数になったともいえます。
まとめ
今回の問題、答えが負の数になるのは、負の数のみの計算式だったからではありません。負の数を奇数個掛けたり割ったりしたので、答えは負の数になったのです。負の数のみの計算式でも、負の数を偶数個掛けたり割ったりしていれば、答えは正の数になります。
負の数の計算方法を思い出したという人は、ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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