“正義”と“悪”が入れ替わる衝撃展開…放送当時から話題となっていた謎も解明　二宮和也の演技も光る『インフォーマ』

6話が放送された『インフォーマ 闇を生きる獣たち』。かねてより木原（桐谷健太）たちと対立する立場にあった“偽”インフォーマ・鬼塚（池内博之）の過去が明かされた。高野（二宮和也）の驚きの裏切り行為が表面化したタイミングでの、鬼塚の悲しすぎる真実に、正義と悪の立場が180度入れ替わる転換が起きている。

明かされる鬼塚の“目”の真相

待望の続編が配信された『インフォーマ』序盤の時点で、“偽”インフォーマを名乗る鬼塚の目の怪我について、SNS上でも多く言及されていた。左右の目の色が違い、おそらく視界が半分に限られているだろう鬼塚に、どんな過去があるのか。6話において、5年前の悲惨すぎる事件が紐解かれた。

優秀な刑事として仕事に邁進していた鬼塚。事件の捜査に没頭するあまり、夜遅くに帰ってはリビングのソファで寝入ってしまう日々が続いていた。娘の麻里が鬼塚を心配し「寝る前にシャワー浴びてよ」などと気をかける。いつものように寝落ちしてしまう父親に、そっと布団をかけてやる麻里のシーンが印象に残る。

そんな優しい麻里の命が奪われてしまった。犯人は朝陽（豊田裕大）という男。マッチングアプリを使って次々と女性に会い、殺人を繰り返していた。鬼塚はかねてより刑事として朝陽を追っており、ついに追い詰めて執行妨害として現行犯逮捕に至るも、アリバイの辻褄が合わずに釈放。そんな矢先の、凄惨すぎる事件だった。

復讐心に燃える鬼塚は再び朝陽の居場所を突き止め、恨みから激しく暴行してしまう。朝陽は母親に対する屈折した思いから、女性だけをターゲットに陰湿な行為を繰り返しているとみられており、同情の余地はない。SNS上でも、思わず手が出てしまう鬼塚に対し共感の声が多いが、最後の最後で朝陽にとどめを刺したのは鬼塚ではなかった。

5話でとんでもない裏切り行為を見せ、視聴者をさまざまな意味で震撼させたのは、警察官僚である高野（二宮和也）。ゲームセンター内に設置されているプリクラ機のなかに追い立てられた朝陽を、拳銃で殺害したのは高野だった。

「これ以上は庇いきれません。個人的な感情はないので、恨まないでください」といった彼の言葉には、想像を掻き立てられる含みを感じる。およそ人の心といったものが感じ取れない表情で、淡々と朝陽を撃ち、高野は去っていく。入れ替わるように現場にやってきたのは鬼塚で、そこにはすでに息絶えた朝陽と、鬼塚の所有していた拳銃が落ちていた。

鬼塚の目の怪我は、この5年前の騒動のために負った傷であることがわかる。しかし、高野の行動の意図が、まだ読めない。

黒幕の“黒幕”は存在するのか？

警察官僚として上層部と通じながら、私的な思惑を隠し持つ高野。鬼塚の過去が明らかになったぶん、彼が目指している地点は薄々想像がつくものの、対比するように疑惑が濃くなっていくのが高野だ。

彼が秘密裏に動いている理由は何なのか。元上司である丸山（高橋和也）を殺害した意図や、木原と繋がったのは偶然なのか。そして高野ひとりが、裏で暗躍している黒幕と断定していいのか。

前シリーズ『インフォーマ』では、森田剛演じる冴木が、いわゆる黒幕として木原と対立する存在だった。謎の男として不気味な存在感を漂わせていたが、出生にまつわる記憶を木原と共有している事実が判明してからは、その行動理由にも納得できる余地があった。

しかし、続編である『インフォーマ 闇を生きる獣たち』の高野に対しては、思惑が読めないぶん恐怖が増幅する。朝陽を殺害した犯人を鬼塚に仕立て上げ、鬼塚を失踪者として処理した一連の過程は、高野にどんな利益をもたらすのか。高野を動かす、影の黒幕がまだ存在するのだろうか。

ABEMA『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』
［放送日時］毎週木曜日 夜11時より放送中（全8話）
［出演者］桐谷健太、佐野玲於、莉子、池内博之、二宮和也 ほか
［番組トップページ］https://abema.tv/video/title/90-2007
［第1話 無料見逃し配信ページ］https://abema.tv/video/episode/90-2007_s1_p1

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ライター：北村有（Kitamura Yuu）
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter：@yuu_uu_